・一面の菜の花畑に

一面の菜の花畑に

夏色の麦わら帽子が

軽やかに笑っては

奔ってゆく


流されてしまった

君の命を


擦り抜けていった

海の砂

べっとりと

私の この手に


拭いても拭いても

元からありえない

誰もここにはいない

夕焼け空が輝く


くらむほどで

闇に堕ちる

太陽に


口付けを

したい

動かない懐中時計に

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