34話
「こちらの方はアンナ・バードリー様おなじクラスでなかよくなったんですの」
「ふぅん……」
自分から聞いてきたのに、アレン君はさほど興味なさげに聞いていた。
「リリアン様、こちら私の幼馴染のセドリック・グランです」
「お初にお目にかかるセドリック・グランだ。」
「あら、そんな固くならなくてもいいですわ。先程のような砕けた口調でいいですのに」
そう言えば、少し驚いた表情をしながらも、すぐに笑みを浮かべて首元のネクタイを少し弛めた。
……おぉ、ワイルド…
てか思い出した。セドリックって攻略対象じゃない。優しい王子とは違う豪快で男らしい騎士枠で何気人気だったやつ。
アンナの幼なじみだったんだ……
「ならお言葉に甘えて。
改めてセドリックだ。騎士学科の竜騎士科目に所属してる。」
「あらそうだったんですのね。
改めてリリアン・グレット・オズワールですわ。アンナ様と同じく魔術学科の自然魔術科目に所属してますわ。」
「うわ、ミドルネームありってことは公爵家か…しかもオズワール…」
身分がわかった瞬間、少しかしこまったような雰囲気を出す。
オズワール家は隣国の王子と婚約してたり、外資に手を出したりなど色々な事をしてるから色んな意味で有名だ。
「で、そっちは?リリアン嬢のパートナーだろ?」
「……アレン・ストレンジウェイズ。
商売学科の医学科目生」
「あぁ!あの有名な特待生か!
案外ちっこいなぁ!」
「ちょっと…触んないでくれる
僕は別に小さくないし。」
頭を撫でようと伸ばしたセドリックの手をペシンと叩き落として軽く睨みつける。確かに180後半は余裕でありそうなセドリックと170前半のアレン君だと少し身長差があるわね……
私もヒールのある靴を履くとアレンくんより少し低いぐらいになるし…
「ははっ、小せぇだろ。んなヒョロっちくてリリアン嬢のこと守れんのかよ」
「余計なお世話なんだけど」
……と言うより、アレン君も結構ゲームとキャラ変わったなぁ…
ゲームのアレン君は面倒臭いからってあんまり攻略対象に関わらないし反抗しないのに。
まぁ今のアレン君も素敵で大好きなんだけどね!
「……もう面倒だ…いこリアン」
「え?あ、はい」
面倒そうにセドリックと会話を切り上げて私の腕を引いて行くアレン君。
どうやらバルコニーに向かってるみたい。
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