33話
「ねぇ!サラ、どうかしら?」
「とても似合っておりますよ、お嬢様」
「本当?嬉しいわ」
自分の部屋でドレスを身にまとってくるりとサラの目の前で回ってみせる。
今日は新入生歓迎パーティーの日だ
群青色のドレスは成長して1層気の強く見える私の容姿によく映える。
本当はアレン君の髪と同じ亜麻色のドレスが良かったけれど、リリアンのハッキリした顔立ちだと、薄い色にしてしまうとどうしても浮いてしまう。
「アレン君、かわいいって言ってくださるかしら?」
「もちろんです!アレン様はお嬢様のことを一番に考え、愛しておりますわ!」
「っ!もう、サラ!そんな事言わないで!調子に乗っちゃうじゃない!」
サラから調子のいいことを言われ、思わず熱くなった頬を冷ます。
緩くウェーブのかかった髪に皇帝ダリアの髪飾りをつけて、自分の瞳とおなじルビーのイヤリングを付ける。
小ぶりなルビーが私の耳で輝く。
暫く待っていると、迎えの馬車がつく。
中にはアレン君も乗っていて、新入生歓迎パーティーに一緒に行くのだ。
「リアン。こんばんわ……今日もかわいいね」
「アレン君こんばんわ。
褒めて頂きとてもありがたく存じますわ。」
馬車から降りてきて、薄く笑うアレン君がかっこいい。
アレン君にエスコートしてもらって、会場に着けば既に何名か来ていた。
「あ!リリアン様、御機嫌よう」
「アンナ様、御機嫌よう。」
誰か知り合いがいないか辺りをキョロキョロしていると、アンナが私に気づいて駆け寄ってきた。隣にはエスコート相手なのかどこかで見たような気がしないでもない方が1人
「リリアン様はやっぱり婚約者様とご一緒なのですね!そのドレスもとても素敵ですわ!」
「ありがとうございますわ。
……って、あら?アンナ様はアレン君が私の婚約者だとご存知でしたのね」
「えぇ、この前の火の玉の件の時に…
あの時の婚約者様といったらとても素敵で………不謹慎ながらあの場にいた令嬢からしてみればお二人の絵に書いたかのような姿は憧れの的でしたのよ」
「……そう、なんですの」
凄い勢いで顔を赤らめ話すアンナに釣られてこちらも顔に熱が集まってしまう。
するとクイッと手を軽く引かれ、後ろに抱き寄せられた。
「ねぇリアン。この人は誰?」
「あ、アレン君……」
抱き寄せた人物は間違いなくアレン君だった。
「おいアンナ。さすがに俺にも紹介しろよ。すっげぇ居づらい」
「あらごめんあそばせ」
さっきからずっと放置されていたアンナのパートナーも流石に居心地が悪くなったのやっと口を開いた。
赤茶色の髪を持つ彼は一体誰だっけ…?
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