32話 ???side
なんで、なんでなんでなんで!?
なんでこんなに上手くいかないのよ!!
「おぉおぉ、随分と不機嫌だねぇ?姫さん」
「うるさい!!少し黙ってよ!」
折角大好きなゲームの世界に入れたのに、これじゃあおちおち攻略もできないじゃない!!
そもそもなんなのよ!!あいつは悪役のはずでしょ?どうしてヒロインなんかと仲良くなってるのよ!!
「おい、血が出ちまってんじゃねーか勿体ねぇ。」
「……あ、しまった」
どうやら爪を噛みすぎてしまったようで、肉まで噛んでしまったのか血が出ていた。
私の使い魔である悪魔のナフラーが私の血を舐めとる。
「勿体ねーぜ?姫さん。お前の血は俺らにとっては極上なんだからよぉ?」
「ふふ、それもそうね……さぁナフラー、手伝って。悪役令嬢のリリアンを何とかしてでも原作通りに動かさなくちゃならないんだから。」
「へいへい。で、どうするんだよ?思い通りに動かすとか洗脳でもすんのか?」
!そうよそれじゃない!
リリアンを操って悪役にして、私を虐めさせながらイベントを起こせば手っ取り早くヒロインをのっとれるじゃない!
私は魔界魔術の生徒なんだからそんなこと簡単なことなのに、どうして気づかなかったのかしら!!
「そうね!それが一番いいわね!でかしたはナフラー!
あんたもたまには役立つじゃないの!」
「え、マジでやんの……?
まぁいいや、頑張れよ姫さん。俺らはいつでも力をかすぜ?」
「当たり前じゃない!あんたは私の使い魔なんだから!」
「だから俺は契約…もういいや」
ヒロインを乗っ取れば私はすぐさま王太子妃!アルフレッド様の心も射止められるのよ!そしてそのまま行けば一生困らなくていいわ!
逆ハーを狙ったらろくなことがないのは色んな小説を読んで学んできたわ!
私には最推しのアルフレッド様とこのイケメン悪魔のナフラーがいればそれでいいのよ!
「はぁ~このまま行ったら夢の女王様暮らしかぁ…可愛い私に生まれてよかったわ!」
でも、今日襲って明日洗脳すると流石に魔界魔術生徒だってバレるかもしれないわね……
それに、ゲームではリリアンの嫌がらせでヒロインが#脇役__アレン__#の所へ行くイベントの次は新入生歓迎パーティのはず……
「よし!なら新入生歓迎パーティで洗脳すればいいわね!ナフラー頼んだわよ!」
「……わかったぜ姫さん。ただし報酬は弾むぜ?」
「ええもちろん、お金だってなんだってあげるわ!なんたって私は未来の女王なんだもの」
「……悪魔との契約に嘘はなしだぜ?」
未来の姿に幸せ気分に浸かっていた私には、後ろでナフラーが言っていた意味深な言葉は全く持って届いていなかった。
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