26話

「あぁ、すまない。

実は、私と彼女のパートナーが決まっていなくてね。彼女をパートナーに誘ったら、身分を理由に断られてしまったんだよ。」


なるほど…確かにラルドリアちゃん、第5保健室に運ばれた時に平民が貴族に迷惑かけて…って言ってたな…


「ラルドリア様。先日も申し上げましたが、私は基本的に、この学園に入れば、平民も貴族も関係ないと思っております。もちろん、アルフレッド王子だって同じようにお考えでしょう?」


「もちろんだよ。だから、私とパートナーになってくれないかな?」


「…分かりました。私なんかでよければよろしくお願いします。」


アルフレッド王子のパートナーが決まったところで、昼休み終了のチャイムがなった。




五、六時間目は魔術科の合同演習だ。

魔力量の調査や、天界魔術科と魔界魔術科は、契約の実技を行うって話だ。

できなかったら次に持ち越し、出来たらその契約を卒業まで結ぶ。


入学してから次の日で?とも思うが、早めに結んで長い期間ともにした方が後々強い魔法を使えるようになる…って先生が言ってた気がする。

その間、自然魔術科は自分の属性にあった精霊を使役し、魔術練習になるらしい。


「それでは、クラスごとに分かれ、この魔法石で、自分の魔力量を調べてみろ。

特に、天界魔術科と魔界魔術科はその魔力量によって、契約を結ぶ天使と悪魔が変わってくるから、しっかり覚えておくように。」


先生に言われて、魔法石の所に行く。

魔法石は、触れると魔力の多さによって光り輝く強さが変わってくる。魔力量が多ければ多いほど光は強くなるし、魔力量が少なければ光は弱い。私はどれくらいかな…なんて考えていると順番が回ってきて、魔法石に触れてみると、前の人たち以上に強く光った。


「おぉ!オズワールご令嬢は魔力量が相当ありますね!軍の魔法師団長クラスですよ!!」


「ありがとうございます」


そんなよくわからない例えをされて、内心戸惑いながらも、しっかり一礼して、魔術練習の方へ移る。


全員が集まるまで待つみたいだから、周りをちらって見てみると、ラルドリアちゃんが目に入った。

ちょうど魔法石に触れるところで、触れると凄く強く発光した。


私の時以上だし、先生方の反応を見る限り、相当ラルドリアちゃんは魔力量があるのだろう。

ラルドリアちゃんは先生方の興奮についていけないのか、魔法石の前であわあわしていた。すると、今度は逆方向から声が聞こえてきた。


「おぉ!これは……!

近年稀に見る魔力量だ!この魔力量がいっきに二人も!!」


そちらの方を見ると、そこに居たのはバンシーさんだった。まるで誇らしげにラルドリアちゃんを見ている。まぁ、ラルドリアちゃんは気づいてないんだけど。


先生方は混乱しながらも、授業は進めるようで、天界魔術科と魔界魔術科は契約、自然魔術科は魔術練習と、別れて授業が再開した。

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