5話 アレンside
リリアン「え、えぇ
名前を知っていれば見たことがなくても空想上の植物でも…
本当に何でもですわ」
すごい能力だ!
これなら取りに行くのが難しいものや地域や環境の問題で手に入らなかったり高価な薬草も手に入る
医者や薬剤師としてはすごく魅力的な魔法だ…!
アレン「じゃ、じゃあさ…
海竜の宝草って出せる…?」
これで断られたら…
でもお母さんの病はリアンにしか治せないし…
リリアン「海竜の…宝草ですわね!
やってみますわ!
植物よ…我は大地の愛子なり…その呼びかけに応え姿を現せ
海竜の宝草」
目をつぶって僕が教えた薬草の名前をつぶやくとリアンの手のひらに光が現れてその直後に海竜の宝草が生み出された
写真で見たのと全くおんなじだ…!
アレン「すごい…本当に海竜の宝草が…」
リリアン「好きなんですの?
この草が…」
アレン「う、ううん…
僕のお母さん…弟産んでから倒れちゃって…
薬にはどうしてもそれが必要で…
でもこれS級クエストの海竜の巣に行かなきゃいけないし行っても宝草を守ってる海竜を倒さなきゃいけないんだ…
だからすごく高くて…」
リアンに説明すると驚いた顔をしたあとに僕の手に宝草を押し付けてくる
リリアン「ならこれはアレン君にあげますわ!傷を直してくれたお礼ですの!
それに私の家は皆健康なんです!
この宝草は必要ないんですわ!
必要としてくれる人に使われたほうが植物も嬉しいと言っていますわ!」
アレン「え…でも…」
これは買おうと思ったら金貨二桁は余裕で下る代物…そんなものをもらうなんて…
戸惑う僕を無視してリアンは話し続ける
リリアン「あぁまずはこの草を薬に加工しないといけませんわね!
アレン君のお父様は加工できますの?」
アレン「で…できると思うけど…」
リリアン「じゃあ急ぎましょう!」
僕の腕を掴んで屋敷の中に走り出す
僕は宝草を落とさないように大事に握ってリアンと一緒に走る
屋敷のあるお部屋についてリアンは扉を開ける。中はすごくきれいなお部屋だった
リリアン母「あ、あら…リリアンどうしたの?
そんなに急いで…それに後ろにはストレンジウェイズ様のご子息まで連れて…」
リリアン「お母様!そのお話は後で!
アレン君のお父様!アレン君からお話は聞きましたわ!この宝草!アレン君のお母様に使ってくださいませ!」
リアンは僕の手を引いてお父さんに宝草のことを言う
僕も見えやすいように宝草をお父さんの方に向ける
アレン父「こ、これは…海竜の宝草…
なぜこんなところに」
アレン「リアンが魔法で作ってくれたんだ…お母さん…この薬草で治らない…?」
アレン父「いや…残りの素材はこれだけだったからこれが手に入れば…
これ!いくらしますか!?」
やっぱり…高いのかな…
リリアン「いえ!一銭もいりませんわ!
変わりに元気になったアレン君のお母様とお父様、そしてアレン君とアレン君の弟と私達家族全員で
今度お茶会かピクニックに行きましょう!
ねぇお母様!お父様!良いですわよね!」
リアンは弾ける様な笑顔を見せる
リアンの家族と…僕らがピクニック?
リリアン父「…そうだな
今までストレンジウェイズ様にはお世話になっております
お返しとしてどうぞ使ってください」
リリアン母「そうねストレンジウェイズご夫妻ともお話してみたいわ」
リリアン「ふふっ!
使ってくださいませ!アレン君のお父様!」
父「……ありがとう…本当にありがとうございますリリアンお嬢様…」
涙をポロポロと流すお父さん
僕もお礼を言わなきゃ
アレン「ありがとう…リアン」
リリアン「いいんです!
アレン君には怪我を治していただきましたし……それに…その…
アレン君は…かっこ……ぃぃ…です…し」
みるみるうちに顔を赤くし俯いちゃうリアン
体調でも悪くしたのかな…?
アレン「……?リアン…?」
リリアン「ぅぇ?!あぁ!
いえ!何でもないので気にしないでください!」
僕が覗き込むと跳ねるようにして
ソファの裏へと走って行っちゃった
嫌われちゃったかな…?
リアン母「あらあら
リリアンったら…フフっ…
でも珍しいわねリリアン
リアンなんて家族の私達にも呼ばせないのに…」
リリアン「あ、アレン君は特別なんですわ!アレン君になら薬草だって無償で召喚しますし何でもしますわ!」
“特別” “何でも”
リアンの口からそんな言葉が出てくる
リアン呼びは僕だけ?
リアンは僕のために何でもしてくれるの?
あって間もないけどリアンに惹かれているのは嫌でもわかる
だってリアンの表情が変わるたびに胸がぎゅうっと握られる感覚に陥るんだから…
アレン「!じゃあ…
リアン
将来は僕のお嫁さんになってくれる…?」
リリアン「アレン君のお願いなら勿論!……です………わ……
って…うぇ?」
あぁ…やっぱり
リアンは可愛い…
独り占めできたらいいのに
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