4話 アレンside

お父さんはやつれた気がする


お母さんが倒れちゃったからだ

弟を産んでからお母さんは倒れてしまってそれを治すには海竜の宝草っていう草が必要なんだって


お父さんと一緒に貴族様の家に行く

貴族様なら病気とか…そう言うのにかかる心配ないんだろうな…


僕の力で病も治せたらいいのに


お父さんがいなくなった広い貴族様の庭でぼーっとそんなことを考えていると女の子がドレスのまま走り回っていた


そんなことしたら転ぶのに…


そう思った瞬間予想通りに女の子が転んだ 


流石に無視するのもなんだから話しかけよ…


アレン「ねぇ大丈夫なの?」


声をかけると急にその子は笑顔を浮かべたと思うと焦りだしたりコロコロと表情が変わる


かわいい…


ふとそんな考えが浮かんだ…


?「あ、あの……えっと…

だ、大丈夫です…わ…?」


少しどもりながら言われてるけどその子の手や膝からはとめどなく血が流れ続けていた

大丈夫じゃない…よね?


アレン「……?

血が出てる…けど」


そう言うと次の瞬間涙をこぼした

やっぱり痛いんだ…


アレン「泣いてる…!

やっぱり痛いんじゃん…


じっとしてて」


何故かこの子の泣き顔が見たくなくて魔力を使ってその子の傷を治す

ホントは包帯とかがあるからそれを巻いたほうがこの子の治癒能力が低下しないからいいんだけど…


リリアン「治癒の…魔法ですの…?

す、凄いですわ…!私初めてみましたわ!」


キラキラした目で僕の魔法を見てくる女の子

この魔法…家族以外に褒められたの初めてかも…


大体の貴族様は僕の魔法は戦闘特化じゃないから男として情けないって言われてたし

そもそも庶民だからっていじめられてたし…

まさか貴族様からは褒められるなんて…


リリアン「あの!私リリアン・グレット・オズワールと申しますわ

どうぞリアンと読んでくださいませ!

よ、よろしければあなたのお名前も教えてくださいませんこと?」


この子リリアンっていうんだ…

リアン…リアン…


名前もかわいいな…


アレン「……アレン……

アレン・ストレンジウェイズ…

よろしくリアン……」


口に出すとなんだか心が満たされるような気がした

自分の名前を言うとリアンは僕の名前を言い聞かせるようにその小さな口から僕を呼ぶ


リリアン「アレン君…ですわね!


さっきも言いましたけどすごい魔法ですわ…

私なんて…自然に愛されていて動物に懐かれたり植物を生やしたりすることができるぐらいで…


私としては嬉しいんですけれど戦闘にも何にも参加できなくて…」


植物を生やす…?

それってもしかしてお母さんの病を治す薬草をはやせるってこと?


アレン「植物を生やせるって

もしかして何でも生やせるの…?」


お母さんを治せる唯一の人かもしれない

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