2話

よっしゃ!いい能力持ってたかも!!

ありがとう!リリアン!


リリアン「え、えぇ

名前を知っていれば見たことがなくても空想上の植物でも…

本当に何でもですわ」


桜が出せたり梅が出せたりと存在しないし今世ではみたこともなかった植物だけど出せたからな…


アレン「じゃ、じゃあさ…


海竜の宝草って出せる…?」


少し暗い顔になって申し訳なさそうに言うアレン君

どうしたんだろ…?


リリアン「海竜の…宝草ですわね!

やってみますわ!


植物よ…我は大地の愛子なり…その呼びかけに応え姿を現せ


海竜の宝草」


必死に手の方に魔力が行くイメージをすると私の目の前に草が一つ現れた

所々に宝石みたいな雫がついている


やった!うまく行った!


アレン「すごい…本当に海竜の宝草が…」


リリアン「好きなんですの?

この草が…」


アレン「う、ううん…

僕のお母さん…弟産んでから倒れちゃって…

薬にはどうしてもそれが必要で…

でもこれS級クエストの海竜の巣に行かなきゃいけないし行っても宝草を守ってる不死身の海竜を倒さなきゃいけないんだ…


だからすごく高くて…」


こ、これってストーリーになかったアレン君の話じゃない?!

弟の話もお母さんの話も聞いたことないわ…

もしかしたらその時にはアレン君のお母さんは…もう…


そう考えたら私はアレン君の手にその宝草を握らせる


リリアン「ならこれはアレン君にあげますわ!傷を直してくれたお礼ですの!

それに私の家は皆健康なんです!

この宝草は必要ないんですわ!


必要としてくれる人に使われたほうが植物も嬉しいと言っていますわ!」


アレン「え…でも…」


リリアン「あぁまずはこの草を薬に加工しないといけませんわね!

アレン君のお父様は加工できますの?」


アレン「で…できると思うけど…」


リリアン「じゃあ急ぎましょう!」


私はアレン君の手を取ってお父様やお母様そしてアレンくんのお父様がいるであろう屋敷の応接室に走る


そして応接室の扉を思いっきり開ける


母「あ、あら…リリアンどうしたの?

そんなに急いで…それに後ろにはストレンジウェイズ様のご子息まで連れて…」


リリアン「お母様!そのお話は後で!

アレン君のお父様!アレン君からお話は聞きましたわ!この宝草!アレン君のお母様に使ってくださいませ!」


私はお父様たちと向き合っていたアレン君のお父様に宝草を見せる


アレン父「こ、これは…海竜の宝草…

なぜこんなところに」


アレン「リアンが魔法で作ってくれたんだ…お母さん…この薬草で治らない…?」


アレン父「いや…残りの素材はこれだけだったからこれが手に入れば…


これ!いくらしますか!?」


私にアレン君のお父様が詰め寄って聞いてくる…

私はまっすぐアレン君のお父様を見据える


リリアン「いえ!一銭もいりませんの!

変わりに元気になったアレン君のお母様とお父様、そしてアレン君とアレン君の弟と私達家族全員で

今度お茶会かピクニックに行きましょう!


ねぇお母様!お父様!良いですわよね!」


父「…そうだな

今までストレンジウェイズ様にはお世話になっております

お返しとしてどうぞ使ってください」


母「そうねストレンジウェイズご夫妻ともお話してみたいわ」


リリアン「ふふっ!

使ってくださいませ!アレン君のお父様!」


アレン父「……ありがとう…本当にありがとうございますリリアンお嬢様…」


涙をポロポロと流すアレン君のお父様


アレン「ありがとう…リアン」


リリアン「いいんです!

アレン君には怪我を治していただきましたし……それに…その…

アレン君は…かっこ……ぃぃ…です…し」


アレン「……?リアン…?」


最後に本心が漏れたせいで顔が赤くなって俯いてしまう

それを不思議に思ったのかのぞき込んでくる

アレン君


リリアン「ぅぇ?!あぁ!

いえ!何でもないので気にしないでください!」


私は思わずお母様達が座ってるソファの後ろに隠れる


母「あらあら

リリアンったら…フフっ…


でも珍しいわねリリアン

リアンなんて家族の私達にも呼ばせないのに…」


リリアン「あ、アレン君は特別なんですわ!アレン君になら薬草だって無償で召喚しますし何でもしますわ!」


あー!!もう!隠しても無駄だしもう開き直っちゃえ!

私は思ってることをぶちまける


するとそこでアレン君が急に爆弾を投下した


アレン「!じゃあ…

リアン


将来は僕のお嫁さんになってくれる…?」


リリアン「アレン君のお願いなら勿論!……です………わ……


って…うぇ?」


今…アレン君なんて…?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る