1話

母「リリアンー!今日はお母さんたちお医者さんと会うから暇だったらお庭で遊んどいで」


お母様からそう言われ庭に出る

死んでから私はどうやら転生と言われるものをしたらしく

死んでから神様この野郎とも思ったけど今では神様に感謝している


理由は私の名前だ

リリアン・グレット・オズワール

この名前は禁恋に出てくる悪女の名前だ


オズワール家の第5子第三女であるリリアンは親、兄妹に甘やかされた結果

顔はすごく可愛いのにプライドの高く傲慢な残念な人間へと育ってしまった


家族全員が恋愛結婚であるため自分も一目惚れした攻略キャラのアルフレッド王子と婚姻を結ぶけどアルフレッド王子が主人公と恋仲になりそれに嫉妬して主人公を虐める


……がある日アルフレッド王子に犯した犯罪を断罪され死刑に…

他のルートでもほぼ死刑エンド…

そんなのは嫌だけど私は一つの解決策を見出した。


それは

アレン君と婚約を結ぶこと!


庶民で尚且つ攻略キャラじゃないアレン君と予め婚約を結んでおけば主人公に取られることも、なおかつ犯罪を犯し死刑になることもない!

そして私は大大大好きなアレン君と結婚できてまさに一石二鳥!


庭でそんな考えを浮かべ一人意気込む

てか…この庭広いよね…

広いところ見ると走りたくならない?

私はなる

てことで…私は思わず走りたくなってドレスなのを無視して走ってみる


リリアン「え?あ…きゃあ!」


するとベシャっとドレスの裾を踏んでしまって転んでしまう

起き上がって手のひらや膝を見てみると案の定血が


あわわわ…お母様に怒られる…


?「……ねぇ大丈夫なの?」


声が聞こえて顔を上げる

あ、あああああれは!!

少し幼くなっているけどその可愛さは変わらない…!

あれは!アレン君だ!!


まさか今日来るお医者さんって……


アレン君のお父さん!!?

挨拶しとけばよかった…


そんな後悔をしながらアレン君を見上げる 

健気なことにまだ私の返答を待っている


リリアン「あ、あの……えっと…

だ、大丈夫です…わ…?」


恐る恐る…といった感じで言ってみると


アレン「……?

血が出てる…けど」


心配して…くれた…!

それが嬉しすぎて思わず涙が出てくる


アレン「泣いてる…!

やっぱり痛いんじゃん…


じっとしてて」


返事をしてくれたことに舞い上がって思わず涙を流したのを勘違いしたのか

アレン君は私の目の前に来て傷口に手を当てて私の傷を治してくれる


アレン君に治療される日が来るなんて…!


リリアン「治癒の…魔法ですの…?

す、凄いですわ…!私初めてみましたわ!」


一人で騒ぐ私を治療が終わったのかぼーっと見つめてくるアレン君


そうだ…私名前言ってなくない?


リリアン「あの!私リリアン・グレット・オズワールと申しますわ

どうぞリアンと読んでくださいませ!

よ、よろしければあなたのお名前も教えてくださいませんこと?」


アレン「……アレン……

アレン・ストレンジウェイズ…

よろしくリアン……」


本名を…呼んでくれた!尊い!


リリアン「アレン君…ですわね!


さっきも言いましたけどすごい魔法ですわ…

私なんて…自然に愛されていて動物に懐かれたり植物を生やしたりすることができるぐらいで…


私としては嬉しいんですけれど戦闘にも何にも参加できなくて…」


そう言うとアレン君の表情が心なしかキラキラしだした


アレン「植物を生やせるって

もしかして何でも生やせるの…?」


もしかしてこの力って…アレン君の心を掴むには最適!?

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