悪役令嬢は脇役くんが好き

@Lamiadoll

Prolog

やっと終わった…

周りには放課後に遊びに行くために固まって教室を出ていくもの。

大急ぎで部活に向かうもの。

教室に残って勉強をしていくもの。

いろいろな人が見られていた


私はそんな人たちをチラ見して

一人で教室を出て足早に帰路につく


自分の趣味などのせいでクラスで浮いてしまって友達がいない私が急いでいるのはすごく簡単な理由


ゲームをやりたいからだ


『君とする禁断の恋』


通称 禁恋


主人公である私達プレイヤーが貴族や王族が通う学園で王子様や騎士様、貴族様などと恋をしていく乙女ゲームだ


私はこのゲームのあるキャラが大大大好きになってしまったのだ


それは…


《また転んだの…?

君…王子様いないと本当に何もできないだね…


はい、絆創膏…もう来ないでね

君と関わると王子様たちが睨んでくるんだ

庶民には少しこの目線はきついから…》


莉杏「〜〜〜っ!!かわいい!!

かわいいよ!


『アレン』君めっちゃかわいい!」


私は教室にいるときの陰気さはどこに行ったのかと思うほどに叫ぶ


この子は攻略対象でも何でもない

主人公の友達(?)

ポジションにいるこの

アレン・ストレンジウェイズ君


王族でも貴族でもなくただの庶民で

アレンくんが使える珍しい治癒魔法と医術の成績の良さから学校に入れてもらえた特待生!


ちなみに主人公も庶民なんだけど魔法の特殊性から特待生として学校に入っていて境遇が近いことから仲良く(?)なった


でもアレンくんは基本無気力で

ドジな主人公が怪我をして保健室に来るからその傷を手当すると

限って攻略対象から嫉妬されてしまって厳しい目線を受ける少し可愛そうな役


透き通るようなプルシアンブルーの瞳を持つ大きな猫目に

亜麻色をした柔らかそうな猫毛の髪

性格も見た目も“猫”の一言で表せるような…

もう私の好みドンピシャでこのキャラに会うがために色々なルートを攻略している


パソコンに向き合ってキャーキャー言ってると外がふと騒がしい事に気がついた


部屋が国道沿いだから窓から少し顔を出すと目の前に眩しいほどの光が当てられる


《プープー》


煩いクラクションの音とその後に聞こえた衝突音でトラックが家に突っ込んできたのがわかった瞬間私の意識は闇に沈んだ



「………あ、間違った…」


ふざけないでよ

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