第5話 通行人の女の子B~☆
女の子が歩いている。
「個性のあるキャラクターになりたい。」
女の子はきれいでも、ブサイクでもなく、服装も普通である。
女の子は、どこにでもいるような、普通の女の子でした。
「おはよう。」
女の子は座りながらミルクの入った小さなお皿を差し出す。
「ワン~♪ ニャア~♪」
子犬と子猫は喜んで女の子に飛びついてくる。
「くすぐったいよ~♪」
少し痩せている子犬と子猫は女の子のほっぺたを舌でなめている。
「さぁ、お飲み~♪」
子犬と子猫は女の子の持ってきてくれたミルクを尻尾をフリフリしながら飲んでいる。
女の子は楽しそうにその様子を見ている。
「一緒に暮らしてあげたいんだけど、私には、その権限はないの・・・。」
子犬と子猫は捨て犬と捨て猫だった。
「あ! もう時間、行かなくっちゃ。またね、ケーリー、バーキン。」
「ワン~♪ ニャア~♪」
そう言うと、女の子は去って行った。子犬のケーリーと子猫のバーキンに見送られながら。
女の子は自分の家から目的地に行く途中に捨てられていた、子犬と子猫に毎日、ミルクを上げていた。女の子は自分に懐いてくれる2匹だけが心の支えだった。
女の子は目的地に着いた。街のオシャレな店の前、それが女の子の立ち位置である。女の子は、「通行人の女の子B」だったのです。星に願いを。
「しんどい・・・。」
通行人の女の子Bは自分の立ち位置に朝から立ちっぱなしでした。女の子の足は
パンパンにむくんでいました。
「暑い・・・。」
太陽は女の子をジリジリと照らし続けます。
「お腹すいた・・・。」
女の子は休憩もなく、ご飯を食べることもできずに。朝が来たら、自分の決められた立ち位置に行き、夜が来るまで立ち位置から動くことはできません。
これが通行人の女の子Bの生活でした。
つづく。
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