第2話翌朝のでき事
翌朝。8時50分に、情報システム室の机で、進一が座っていると、久子が入って来た。進一の横を通り、みんなにおはようと言って自分の席に座った。進一の方へ振り返った。満面の笑みであった。左の二の腕のアームバンドを指さした。進一も自分の左の二の腕のアームバンドを指さした。
見た。お局さまは、この光景をつぶさに見た。みんなから『お局さま』と恐れられている竹村博子女史である。このまま、見逃す筈もなかった。
さっそく、進一のところへやって来た。
「松尾さん、ちょっと来てくれない」
「はい、すぐ行きます」
「私の気のせいかもしれないのですけど、家中さんが入って来た時に、あなたと家中さんが同じアームバンドをして、同じように右手の人差し指で、アームバンドを指さして、『にこっ』と笑ったような気がしたんですけど」
「おまけに、左腕にはしているのに、右腕にはしていないのですよね」
「これって、おかしくないですか」
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