《第二十四章 豊穣祭は賑やかに》①

 

 良く晴れた朝、勇者とその妻が暮らす家の玄関からシンシアが出てくるとポストの中身を確認する。

 地方紙や封筒などを手にして家の中へと戻る。居間の卓に並べると中身を確認する。封筒はグラン銀行からの明細書で確認するとグラン城から報奨金もとい年金が振り込まれていた。

 次に地方紙を広げる。そこには街で新規開店した被服店の広告チラシが挟まれていた。チラシを持参すれば2割引だそうな。

 広げた地方紙の一面には広告が大文字ででかでかと書かれていた。


     《豊穣祭ついに開催!》

 

 今年も収穫の繁栄を祝う祭の時期がやってきました!

 様々な屋台や催し物がございますので、ぜひふるってご参加ください!


 

 豊穣祭かぁ。もうそんな時期なのね。


 と、そこへ寝室から勇者が突き出た腹をぽりぽり掻きながらくぁっと欠伸をひとつ。

 

 「おはようシンシア」

 「おはよう。ねぇ街に行ってみない? ちょうど今豊穣祭やってるのよ」


 シンシアが新聞を広げる。


 「もうそんな時期か。よし、せっかくだから行ってみるか!」

 「決まりね! ついでに新しい服買いに行くわよ。割引券もあることだし」

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