実地訓練 −2−
声をかけてきたクラスメイトと一緒にいるのは他に二人。
一人は先ほどまで共に呼び出しを食らった、
「誰だお前は?」
「僕を知らないとは、
ディーノは
いや、ベルナルドの
それはさながら、犬と
「その公爵家の一人息子が俺に何の用だ?」
「君の
「どういう意味ですか?」
マクシミリアンの物言いに、アウローラの顔つきが変わる。
歴史をけなした時とはまた違う、外から見た
「平民の女子、地方の貧乏貴族、
「あなたにとやかく言われる理由はありません。みなさん、早く行きましょう」
「だったら勝負で決めないか?
話を打ち切ろうとするアウローラだったが、マクシミリアンはディーノに再び
「僕たちと君たちで、どちらがより多くの
何を言っているのか、ディーノは本気で理解できなかった。
この
「くだらねぇ……。貴族の
ディーノはそう
「ま、待ってよディーノ! 一人じゃ危ないって」
シエルの言葉に続くように、アウローラとカルロも後を追った。
木々の間を
「くっ……。
だが、その
ディーノが自分たちを見ている目つきは、
そして何よりも、
「ま、まさか
そして、横で見ていたイザベラは
「こっ! こうなれば、どのグループよりも
もはや、誰に対するものでもない
* * *
ディーノは周囲の
そのすぐ後ろを、アウローラたちが付いてくる。
「ディーノさん、一人では
アウローラが
魔獣狩り程度なら、師匠との修行で数え切れないほど
そもそも、面倒な
自然とディーノの態度は
「あの……、やっぱり
どんな答えが返って来るか、わかっているのかいないのか、それでも何かに
理解できない。
何を
もう
「一人で
足を止めて彼女に向き直り、その目を見て、
「お前だけじゃない。そっちの二人も、さっきの奴も、どうして俺にいちいち構う? つっかかる? 俺は目的を果たすためにここへ来ただけだ。面倒ごとに振り回されるのはごめんなんだよ」
今日の朝から腹の底に
アウローラの表情が
ディーノは
右の
「はいそこまでねー♪」
カルロが気づかぬうちに背後に回り込んで、ディーノが向いた先に人差し指を突き出していたのだ。
「なんの真似だ?」
火がついたようにディーノの目つきが鋭さを増す。
「女の子相手に言いすぎじゃない? いくらなんでもカッコ悪いよ?」
ぎりっ……と
「当たり散らすのはディーノの勝手だし、僕やマクシミリアンにだったら別に怒ってもいいさ? だけど、アウローラちゃんもシエルちゃんも、初めて会った君をもっと知りたいから、こうして一緒に来たんだ。そう言う気持ちを
カルロはウインクしながら自信ありげに、
別に女に好かれたくてここにいるわけでもない。
「その目的ってやつが何なのかはわからないし、無理に聞こうとも思わないさ。
でも、そうやって誰も彼もにイライラをぶつけてると、それを果たしてもずっと一人ぼっちだよ?」
ディーノの
自分でも知り得ない、
「お前に、俺の何がわかる……。
心の奥底に
……がさがさっ!
ひたすらに
『ぐるるるる……』
静かに、そして一つではない折り重なった
それはディーノたちが頭の
「……ルーポ……ラーレ」
今にも飛びかからんと
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