第2部 「不思議な夕方」
「不思議な夕方」
ある日の夕方、ぼくは不思議な出来事にあった。
夕日と共にカラスが山に帰っていく夕方にその出会いは突然だった。
「お兄ちゃん、お兄ちゃん。」
見知らぬ子供が声をかけてきた。4、5才位の男の子だ。
空が暗くなってきた頃、突然その子は現れこう言った。
「お兄ちゃん、背中に泥が付いてるよ。」
ふと肩を見ると泥まみれだった。泥遊びしたわけでもないのに、泥のあるところにも行っていないのに背中が泥まみれだった。
ぼくは戸惑いながらお礼を言った。「あ、ありがとう、教えてくれて。」
「ボク、もう遅いからお家に帰った方がいいよ。お母さんとお父さん心配してると思うから。」
そう言うと男の子は小さくうなずき、
「うん、わかった。」
と、言って去って行った。
家に帰った僕は服をみて驚いた。
泥が縦にべったりくっついていたのだ。
急いで服を水で濯いだ。
…しかし、今こうして思い返してみると、泥のあるところにも行っていないのに泥が服についていた。
しかも、縦にべったりくっついていた。
変な話だ。何で気が付かなかったのだろう?
あの子は良くわかったな…あんなに真っ暗だったのに…。
…まてよ。でも、何でわかったんだ?泥が付いてるなんて…。
あの時は辺り一面暗かった。なのに何でわかったんだろう?
…不思議な夕方だった。
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