八十三話一度ある事は二度ある・・・・・・かも?

ソウスケは受付嬢の中に昨日一緒に夕食を食べたメイを見つけ、知らない人より知っている人の方が面倒ごとがないと思い、メイのいるカウンターへと向かった。


ちなみにメイもソウスケの傍でオロオロしているミレアナに見惚れていた。


(メイさんまでミレアナの容姿に見惚れているな。メイさんは別にミレアナに負けていないと思うんだけどな・・・・・・特にその魔乳は。まぁ、ミレアナは何かこう・・・・・・目に見えないようなオーラみたいなのもちょっとある気がするからな)


そんな少しアホな事を考えながらソウスケはミレアナに見惚れているメイに声を掛けた。


「メイさん、今大丈夫ですか」


「は、はい!! だ、だだだ大丈夫ですよ。あっ、き、昨日はお肉ご馳走様でした」


「いえいえ、俺一人では絶対に食べきれないんで、寧ろ一緒に食べれて嬉しかったですよ」


メイはミレアナの隣にいるソウスケを見て、直ぐに昨日ソウスケにご馳走してもらったワイバーンのステーキを思い出し、もう一度感謝の言葉をソウスケに伝えた。


ソウスケもそれに合わせて内容をばらさない様に返した。


二人が昨日の夜に夕食を食べたという言葉を聞いた男の冒険者、ギルドの職員達は隣にミレアナという色々とパーフェクトなエルフを連れているくせに、俺らの女神のメイちゃんにまで手を出しているのか!!!!!! といった嫉妬、憎しみ、殺意の持った視線をソウスケに向けていた。


そんな男性陣を見ていた女性陣は、男性陣の視線に魔力が籠れば人を殺せるのではと思った。


「そ、それで隣にいる女性はだ、誰なんですか? も、もしかして新しいパーティーメンバーですか?」


まだ驚きが収まらないメイの体は少し震えていた。


メイのパーティーメンバーという言葉に、ソウスケはミレアナの立場は奴隷だが冒険者としての行動を考えるならばそうなるのかと思った。


(これから二人で行動をするんだからそうなるのか・・・・・・いや、まずそもそも奴隷は冒険者になれるのか? まずはそこからだよな)


ソウスケはまず奴隷が冒険者になれるか、そこからメイに質問を始めた。


「えっと、こいつはミレアナ。俺の奴隷です」


ソウスケはなるべく周囲に聞こえない様、小さな声でメイに伝えた。

理由は勿論めんどくさい事を避けるため。


だがソウスケのそんな希望は、ソウスケの言葉に驚き大きな声を上げようとしているメイによってに打ち砕かれそうになった。


(マズいっ!!!!)


瞬間的にメイが大声を上げてミレアナが俺の奴隷だとばらしてしまうと感じたソウスケは、直ぐに右手でメイの口を塞いだ。


「ど、どれむぐっ!!!」


「お、大声出さないでくださいよ。面倒な事にはなって欲しくないんですから」


ミレアナが奴隷だという事が周囲にばれることを防いだソウスケは、コクコクとうなずぐメイから左手を離した。

こうして面倒事は回避できたが、冒険者が受付嬢の口を手で塞ぐという普通ならビンタをかまされても可笑しくはない出来事に対して、何事もなかった事でただ良い思いをした(男性冒険者やギルドの男性職員からの目線)ソウスケに対し、憎悪の視線が強まった。


逆に女性の冒険者受付嬢からは何故か歓声が上がっていた。


「ご、ごめんなさい。つい驚いてしまって」


メイは直ぐにソウスケに頭を下げた。

そしてソウスケがスキルを用紙に書くときに馬鹿正直に全て書かなかった理由が今、メイは完全に理解できた。


(は、はははは。こ、これじゃぁソウスケ君が私に本当のスキル数を教えなかったのも納得できますね。こ、これからは冒険者の個人情報を大声叫ばない様に注意しないと)


※メイが完全に悪い訳でなく、予想外な事をいきなり話すソウスケも八割方悪い


「それで奴隷は冒険者になれるんですか。それとも俺の戦力の一部として考えられる感じですか」


「えっとですね、基本的にはソウスケ君が言った後半部分の通り、ミレアナさんはソウスケ君の戦力の一部としてギルドとしては認識させてもらいます」


メイもソウスケと同じように周囲に会話の内容がばれない様に、小さな声で話していた。

そして周囲の冒険者や職員はばれない様に普段通りにしながらも、しっかりと聞き耳を立てていた。

だが、嫉妬や殺意の籠った視線を向けている男性陣の視線は、完全に姿が後ろが見えていないソウスケにバレバレだった。


(いや、確かにそういった目線を俺に向けてくるのは分からなくもないけど、別にそういった関係ではないらかな。もしメイさん絡みで冒険者に喧嘩を売られたらどうしようか・・・・・・まぁ、その時のノリでどうにかすればいいか)


そうなったら多分物理的に解決するだろうな~~~、とソウスケは思いながら会話を続けた


「分かりました。それで今回は前回と同じように何か書くんですか? もしそうなら・・・・・・」


「はい、こちらの用紙に名前や種族、スキルを記入してください」


ソウスケの言葉の続きを理解したメイはウインクして合図を送った。

それにホッと一安心したソウスケはミレアナのに用紙を書くよう促した。


ソウスケから合図を送られたミレアナはぎこちなく動きながらも、用紙に一部嘘を混ぜながら書き始めた。

そして記入が終わりミレアナがメイに用紙を渡すと、スキルの部分は誤魔化して書かれているがある部分が本当の事が書かれており、メイはもう一度大声を上げそうになった。

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