第7話 疑問そして結論・・
昼休み、食事も終わりゆっくりとしながらも杉田さんにどう接していこうと考えていた。だいぶ仲良くなってきているのは確かだ、これも未生のおかげだ。未生の為にも恋人にならなくては・・
【未生の為・・?】
杉田さんはいい人だ、ラノベから始まって会話もする様になった、テニスや遊びに行くようになった。一緒にいると楽しい。このまま恋人になって結婚して未生が生まれる。そしてその未生が今、この時代にきて僕に恋愛指南をしてくれる。だから僕は杉田さんと恋人になる。恋人になったら未生は未来に帰って行くのだろう、親心かな・・少し寂しい気もする。自分の考えが少し判らなくなってきたかも・・
「渡辺君、ちょっといい?」
声をかけてきたのは小野さんだ、心配そうな顔をしている。
「どうしたの?小野さん?」
「未生ちゃんの事だけど、学校行ってる?」
未来から来ているから多分学校には行っていないと思うがそんな事は言えないので
「行っていると思うよ?どうしたの?」
「昨日のお昼、未生ちゃんがネットカフェから出てくるところを見たの平日なのに追いかけようとしたけど見失っちゃって」
ネットカフェか、未生はそんなところにいたのか・・ん?まてよ・・
「小野さん、なんで君が平日の昼間に街にいるの?授業はどうしたの?」
すると小野さんは微笑みながら、
「ひみつよ、女子はね多少秘密がある方が魅力的なのよ」
このセリフ未生も言っていたな、これもラノベとかの有名なセリフなのかな?僕が難しい顔をしていると小野さんは僕が怒っている様に見えたのか、
「あ、ごめん。実は具合が悪くて早退したのそこで見かけて、心配させたくなかったから・・ふざけすぎちゃったね・・怒ってる?」
「いや、怒ってないよ。それより具合はもう大丈夫なの?」
「早く帰って寝たから大丈夫よ、心配かけてごめんね。でも未生ちゃんの事が気になって、何かあったら私も力になるから声かけてね」
「うん、ありがとう。小野さんは本当に優しいね」
「そんな事ないわよ、じゃあ用事があるからまたね」
小野さんは少し寂しい笑顔で教室を出て行った。
悪いことしちゃったかな?僕は心の中で反省をした。
その夜僕は杉田さんとのデートスポット、おすすめのラノベ、いろいろな情報を検索した。こんなものかな?あ、あれも検索してみよう。
・・・
別の日、喫茶店「コーヒータイム」で未生との作戦会議。
「お、お兄ちゃん。美紀さんとスキーデートなんてどうかな?スケートもいいよね、スケートの方が触れ合う機会も多いかな?」
未生は楽し気にデートプランを話している。楽しい会話だ・・
でも、僕は未生に言わなければならない事がある。
「未生・・僕は杉田さんとは恋人にはならないよ」
未生は驚いた顔をする、そして興奮気味に
「お父さん?!何言っているの!美紀さんと恋人にならなかったら私は・・」
僕は目を閉じて一呼吸してから目を開き未生の目をしっかりと見てこう言った。
「未生、君は消えるために未来から来たんじゃないか?」
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