13.自分

 優は現在先程の戦いを終え次の階層の191階層を歩いていた。


 そして、そのまま何も起きずに192階層へ着き、192階層も193階層も何も起きなかった。


『なぁ、爺ちゃんおかしくないか?魔物がまったく出てこないなんて』


『いや、優よお主さっきから威圧しているから出てこないだけじゃろ』


『え?あ、そう言えばさっきボス戦の時に本気で威圧して、解くの忘れてた,,,,,,,,,,,,,,,』


『,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,優よ最近ポンコツ化してきてないかのう?はぁ、先が思いやられる』


『あ、うん。気をつけるよ。』


『気をつけると言いつつもまったく威圧を解く気配がないが』


『あ、うん。めんどくさいし』


『はぁ、優の最近の口癖はめんどくさいじゃの』


『俺も最近思ってた。ま、まぁ、どうせあと1回ボス戦がありそうだしその為の体力温存って事で』


『優がそれでいいならいいがの。やれやれ』


 優は威圧を解かずに進んで行き、199階層に着くと何故か扉があった。


んー?なんで扉があるんだ?まぁ、最終階層の200階層に龍神がいるからか?まぁ、どちらにせよここはボス戦ってことかな。さっきより強いんだろうなぁ。あれ以上に強いとなると何になるんだろうか?まぁ、何が来ようと勝つだけだからな。よし、行くか。


 扉を開け中に入ると何もいなかった。だが、真ん中に鏡が置いてあり、優が見ると鏡の中の自分がニヤリと笑い鏡の中から出てきた。出てきたと同時に鏡が黒い煙になり消えていった。


はぁ、そう来るか。ラスボスは俺自身ってか。まぁ、そうなるよな、190階層で戦った奴より強いってなるとそうそう居ないだろうしな。最後は自分自身を超えて行けってことか。まぁ、俺としては有難いけどな。自分の動きとか第三者目線で観ること出来ないしな。それに、俺自身と戦えるってことは弱点とか見つけやすいしな。その前にステータス見ておくか。


音無 優 レベル:???

性別:男

年齢:19

種族:ドッペルゲンガー

職種:

体力:測定不能

魔力:測定不能

筋力:測定不能

俊敏:測定不能

魔耐:測定不能

物耐:測定不能

属性:火 水 風 土 光 闇 雷 氷

スキル:言語理解 体術 剣術 槍術 双剣術 短剣術 刀術 鍛冶 創造魔法 隠蔽 転移 空間魔法 異空間ボックス 創造生成 治癒魔法 再生魔法 身体強化 限界突破 成長促進 魔力操作 迅速 蘇生魔法 念話 魔力感知 気配察知 気配遮断 魔力遮断 隠密 時空魔法 二刀流 威圧 消去デリート 眷属 召喚魔法 付与魔法 飛行フライ 制御 危険信号 ステータスup 即死無効 経験値増加 自動回復小

称号:


なるほどな。名前と数値と属性とスキルはないものもあるがまったく一緒だな。出来てないものはやっぱり神に関係するスキルか、まぁそりゃそうか。


『爺ちゃん、ずっと忘れてたんだけど、神界にいた時の体型に戻してくれ』


『いいが、ただ戻してもステータスなどは変わらないぞ?』


『わかってるよ。ただ、体型を変えてる必要が無くなったし、それに、元の体型の方が動きやすいからな』


『そうかい、わかった。それでは戻すぞ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,どうじゃ?一応戻したが』


『ん、変わってる。ありがとな、それじゃ、俺と戦ってくるわ』


『気をつけるんじゃよ。ただ、自分の弱点はしっかりと確かめておくように』


『あぁ、わかった』



優は刀を2本とりだし構えた。


あ、そう言えばあいつ武器何使うんだろうか、あいつの異空間ボックスは何も入っていない気がするんだが。


 すると、偽物の優は右手に火属性魔法で作ったと思われる炎の刀と左手には氷属性魔法で作ったと思われる氷の刀を持っており、炎の刀は刀身の周りを炎が渦を巻いていて、そして、氷の刀には何故か霧がかかっていた。


おぉー、俺ってそんな事出来るのか、知らなかった。今度試してみるか。



 二人とも構えた瞬間、同時に動き出した。偽物は炎の刀で優は普通の刀で攻撃をし、2本の刀ぶつかった瞬間炎の刀が爆破をおこして優を後方へと吹き飛ばした。偽物は間髪入れずにそのまま優へと接近し今度は氷の刀で攻撃をしたが、優は飛ばされながらも何とか防いだが、飛ばされている状態なので支えることが出来ずに壁まで吹き飛んで行った。


いってぇ、パワーもスピードも今の俺より上だな、多分身体強化と限界突破を初めから使っているんだろうな、隙が全くなねぇからな。これは、俺も身体強化と限界突破を使うべきかな。


 優は身体強化と限界突破を使い身体強化のステータスなどを大幅に上げ、戦闘態勢をとった時に刀が目の端に映り優は思わず二度見してしまった。


ま、まじか、刀が凍ってるじゃねぇか。多分氷の刀での攻撃を防いだ時に凍ったんだろうな。一旦溶かすか。ちょっと待てよ、俺の刀もあいつのと同じように出来るんじゃないか?それに、俺の場合はちゃんとした武器にする訳だから向こうのより強くなるんじゃなかろうか?まぁ、物は試しだ。あ、そうだ、俺は氷じゃなくて雷でしてみるか。


 優は片方ずつ付与していき、凍ってた刀の方に炎を纏わせ、もう片方の方に雷を纏わせた。炎を纏わせた刀は、刀身全体が炎を纏っており長さも少し伸びていた。雷を纏わせた刀は、刀身がバチバチ音を出しながら雷を纏っており、こちらも刀身が少し伸びていた。


 すると、偽物が既に優へ攻撃をしようとしていたが、火属性を付与させた刀で偽物の攻撃を防ぎ今度は優の刀がぶつかった途端爆破し、偽物が吹き飛んで行き、優はそのまま追いかけ今度は雷属性を付与させた刀で攻撃したが、斬られる寸前に転移を使い優の後ろに移動し首目掛け炎の刀を振った。優は炎を纏っている刀でその攻撃を防いぎ、2人の刀が爆破をおこしどちらも吹き飛んで行った。


ちっ、転移あるの忘れてたわ。それに、あいつのステータスとスキルは俺だから即死無効もあるじゃん、どうやって倒すかな。まぁ、方法はあるにはあるが、あいつに触れなきゃいけないんだよな。そう簡単に触れることは出来なさそうだし、どうすっかな。まぁ、でも多分神化使えば直ぐに終わるだろうがあまり使いたくないからな、1度使ったら神力回復するのにこっちじゃかなり時間かかりそうだしな。まぁ、神化は使わなくてもなんとかなるだろ。


 優と偽物は再度構え今度は優から攻撃を仕掛け、偽物に一瞬で近づき今度は雷を纏っている刀で腕を切り落とそうとしたが、氷の刀で防がれた。先程と違うのは氷の刀に少しヒビが入っており、優の刀は凍っていなかった。その後続けて攻撃をしていき、遂に氷の刀が折れたので再度腕を斬り落とそうと刀を振るったがまた、転移で逃げられた。


やっぱり転移は厄介だな。あいつのスキルとか全部消す方向でいくか。それじゃ、武器を変えますか。


 短剣を2本とりだし、その2本に消去デリートを付与した。消去デリートを付与した2本の短剣を構えた直後偽物が転移で優の後ろに周り炎の刀でまたもや首を斬り落とそうと振って来たが優は落ち着いてその攻撃を短剣で防いだ。防いだ直後炎の刀は消え去り、偽物は直ぐに距離をとろうとしたが優は構わずに短剣2本で攻撃をした。偽物は反射的に氷の刀で防いだがこちらも消え去り偽物はがら空きになり優は間髪入れず両腕を斬り落とそうと攻撃をし、偽物は転移が間に合わず、両腕を斬られたが、偽物は何とか転移を使いその場から離脱をした。


 優は偽物を斬った瞬間体に一瞬だけ触れ即死無効を消した。


上手くいったかな?一旦あいつのステータス見てみるか。


音無 優 レベル:???

性別:男

年齢:19

種族:ドッペルゲンガー

職種:

体力:測定不能

魔力:測定不能

筋力:測定不能

俊敏:測定不能

魔耐:測定不能

物耐:測定不能

属性:火 水 風 土 光 闇 雷 氷

スキル:言語理解 体術 剣術 槍術 双剣術 短剣術 刀術 鍛冶 創造魔法 隠蔽 転移 空間魔法 異空間ボックス 創造生成 治癒魔法 再生魔法 身体強化 限界突破 成長促進 魔力操作 迅速 蘇生魔法 念話 魔力感知 気配察知 気配遮断 魔力遮断 隠密 威圧 消去デリート 眷属 召喚魔法 付与魔法 飛行フライ 制御 危険信号 ステータスup 経験値増加 自動回復小

称号:


お、即死無効は消えてるな。と言うか他にも時空魔法と二刀流が消えてるな、短剣で斬ったからか?ちょっと確認するか。


短剣

素材:神鉄

スキル:消去デリート

効果:かすり傷でも入るとスキルや魔法などがランダムで消える。


なるほど、あいつのスキルが即死無効以外に消えてた理由はやっぱりこいつだったか。そりゃそうか。でも、ランダムなんだな。それに、自分で作っておいてなんだが、何このチート武器。あまり使わないでおこう。でも、これでやっと倒せるようになったな。武器も刀に戻すか。さて、それじゃ終わらせますか。


 2本の刀を異空間ボックスからとりだし、偽物へと目を向けた。偽物は既に両腕を再生し今度は武器を刀ではなく色々な属性の槍を自分の周りに10本以上浮かせており、その全てを優へ向けて放った。


 優は気にすることなく偽物へと突っ込んで行き、全ての槍を斬り落として行き、遂に偽物の目の前まで到着した。炎の刀で首を斬り落とそうとしたが、またもや転移で逃げた。だが優はすぐさま刀から槍に持ち替え何もない所に投げた。すると、投げた先に偽物が現われ逃げることが出来なかった。腹に風穴を開けると同時に偽物の体は粉々に吹き飛び、その全てを優は燃やし尽くした。


ふぅー,,,,,,,,,,,,,,,疲れたぁー。それに、あいつ最後の悪足掻きに自分の周りに浮いてた槍全部飛ばしてきやがって、数本避け損ねたわ。久々に傷を負ったな。


『爺ちゃん、終わったぞ』


『うむ。自分と戦うのはどうであった?』


『そうだな、疲れた。転移がウザかったな。まぁ、でも、やっぱりまだまだ無駄な動きが多かったな。あと、自分で言うのも何だが弱点という弱点が見つからなかった。まぁ俺の観察不足なだけと思うが』


『無駄な動きはこれからも鍛錬をしていけば無くなると思うよ!それと、こっちに戻って来たらまた僕が特訓してあげるからね』


『ん?その声と話し方はロウか?』


『そうだよ!でも、流石僕の一番弟子だね、いい戦いだったよ!』


『おう、ありがとう。それと、こっちからも特訓頼むわ。それじゃ、俺は龍神の所に行ってくるわ』


『わかったよ。じゃーね』


 そして、優は龍神がいるであろう最終階層の200階層へと進んで行った。

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