第7話 なぜかモテはじめた私

 私が係長の近藤翼と期間限定で付き合い始めてから、私はありえないほどのモテ期を迎えてしまった。


 誰でも人それぞれ規模は違えど人生に三回はモテ期があると友達が言っていた。


「好きです。来美くるみさん」

「えっ。ありがとうございます…」


 同じ課の年下の子に告白された。

 帰りがけに会社の正門前で私は、行きかう人々にジロジロと見られていく。

 好奇心を持った目やちょっと微笑んでいる人たち。


 なんにしても恥ずかしい。


 思うのだ。

 この私の有り得ないモテ期は人たらしの翼と付き合っているからこそ起きている相乗効果なのではないのか、と。


 私はこの目の前で真っ赤になっているかたにどう断るか途方にくれていた。


 だってこんな事はいまだかつてなかったから。


 ごめんなさい。

 今は好きな人がいます。


 それしかないよね。

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