第2話 出会い
何メートル走ったのか、かなり遠くまで来てしまった。走っては少し立ちどまり また走り出す。するとどこかの公園へたどり着いた。ここなら一夜くらい過ごせそうだ。今日は休みもうとしたその時雨が降ってきた。
『(そういえば今日雨って予報だったっけな)なんで私ばっかこんな目にっ、』なんて思っても一向に雨が止む気配はない。 もう何時間ここに居るんだろう?人通りもなく静かなこの公園に……。
急に「どうしたの?」
と男の人の声と同時に雨がやんだ気がした。気になって後ろを振り向くと1人の男の人が立っていた。茶髪にピアスをしていて少しチャラそうな人。雨がやんだ気がしたのは、その人が私の上に傘を差し出してくれているからだと気づいた。
『あの、私はなんでもないんでもう行きますね…』
帰る場所もないのに なんて思いながら男の人に背を向け歩き出した。
「なんでもないわけないよね?泣いてるじゃん君」
その人に言われて初めて気づく私泣いてるんだ 。
「しかも、こんな夜に女子が1人で出歩いてると危ないよ?家まで送るから案内して」
『家はありません』
そういうと男の人は困ったような表情で私を見つめる。
「とりあえず、雨で濡れたでしょ?俺の家近いからくる? 手出したりとかしないから安心して」
チャラそうだが悪い人ではなさそうだ。
家もない私は彼について行くことにした。
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