第7話 混迷の宮殿②
異世界の皇子ミトラは、
宮殿の中に用意された
客室でひとり、
じりじりしながら
情報相オリオンが戻るのを
待っていた。
オリオンが出かけてから
もうずいぶん時が経つ。
なぜこんなに遅いのだろう?
と、ミトラは心配になってきた。
アシュラの様子を
探りに行かせただけなのに、
あまりに遅い。
心配のあまり、
自身で探りに行こうと
決意したとき、
音もなくドアが開き、
オリオンが部屋へ
忍び込むように
入ってきた。
そしてミトラのそばまで近づき、
他のものは誰もいないことを
確認してから、
耳元でささやいた。
「どうも、おかしいです。
宮殿ばかりでなく、街中にも
兵士が展開し、
誰かを探していました」
ミトラは我慢できず
自分から
「あの女神はどこにいる。
教えろ。今すぐ、逢いたいのだ」
と、オリオンに言った。
「皇子様、それはなりません。
これから以後は、あの女神さまに
どんなことがあっても
近づいてはなりません。
不貞をしたと噂がたち、
その相手を今、
やっきになって
探しているようです。
女神さまがどうも
そのものと駆け落ちしたと
疑われているようです」
「そんな馬鹿な・・・・。
あの傷ではどこにも行けまい。
それほど女神は衰弱していた。
あの親衛隊の隊長のフォースは、
女神を護るのではなく、
命を奪うためのものだった。
はやく処置しなければ、
大変なことになる。
エナジーを操れるものでなければ、
あの傷は治せぬ。
招待客の中に、それをできるものは
いるだろうか?
私以外で、できるものといったら・・・」
「あの有名な
アトランティスの光の戦士
ルシファーさまと
ミカエルさまも
最前線から戻られたそうですから、
きっと大丈夫でしょう。
あの方たちのフォースは
ミトラ様とおなじくらい
強力ですから」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます