第3話 光の女神の覚醒にミトラは・・・

「なぜであろう?

あの者が、女神として

覚醒したと聞いたが、

本当であろうか?」


ミトラの問いに、

情報相であるオリオンは、

「本当でございます。

すでに統治神“シ”のもとへ

嫁ぐ日も決まったようです」

と答えた。


「そうであったか・・・。

しかしなぜなんだろう?

あの者は光の戦士の試験に

みごと合格し、戦士として

活躍していたと聞いていた。

遺伝子を操作して

無理やりにあの者を

女神に変成させることは、

いくらなんでもできないだろうと

思っていたのだが・・・」


「操作はしていないようです。

時間はかかりましたが、

自然にときが満ち、

心も体も女神へと

変成していったようだと

聞きました。

本人は恥ずかしかったのか、

ずっと隠していたようなのですが、

ついに隠しようがなくなる日が来て、

本人も覚醒したことを認め、

女神の園へ

連れて行かれたと聞きます」


「それでも婚礼は

あまりに急なのではないか?」


「たぶん女神さまを

ほかのものの誘惑から

隔離するためでしょう」


「とは?」


「これは公にされていませんが、

このたびの覚醒は

女神さまが誰かに恋をしたからだと、

言われています。

恋をしなければ、覚醒は無かったと

言われています」


「生まれた時から

定められていた

婚約者ではなく、

他のものと恋をしたのか?」


「はい、さようでございます。

ただお相手のかたは、

女神さまの気持ちを

知らなかったようなのです」


「それですぐ、

隔離なのだな」


「はい。ただ心を

寄せていただけでしたから、

お許しになったようです。

それで結婚前にもかかわらず、

女神の園へ、すぐに

お連れになったそうです」


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