第14話 明かされるサーシャ事故死の真相

ジュンスとチャールズ・スペンサーは

学生時代から続く

宿敵みたいなものだったが、

プリンス・チャーミングのことで

チャールズがゲイであることを認め

失脚してから、

なぜか一緒に酒場で

酒を酌み交わすようになっていた。


「俺の母親ってさ、

平気で夫も子供も捨てるような

女だったんだけど、

お前の母親は、

かなり違うみたいだな」

と、半分、酔いつぶれながら

チャールズ・スペンサーは

ジュンスに言った。


「そうだな、お前の母親とは

たぶん正反対だろうな。


俺が生まれたときから、

俺を王位につけることが

生きがいになったひとだから、

とにかくうるさい!

いちいち俺を見張って、

干渉してくる。


俺の恋を次から次と、

壊してくれた。

まったくひどいもんさ・・・」


「サーシャが死んだ爆発事故、

お前はまだ、

偶然が重なった不運な事故と、

今でも思っているのか?」

と、チャールズ・スペンサーは

ジュンスに言った。


「違うのか?」

と言いながら、ジュンスは

半分眠りかけていた。


「違う。あれは

仕組まれた事故だったんだ」

と、チャールズは

はき捨てるように言った。


「犯人は、お前の母親!

間違いない。俺はパパラッチから

証拠写真を、買い取ったんだからな。


お前、あの時、夏休みに入ってからすぐ、

帰国しなかっただろう。

そしてサーシャのうちに行って、

何日か泊まった。

その時、写真を撮られていたんだ、

パパラッチにな。


お前の母親は、高値で写真を全部

買い取ったそうだ」

と言った。


「パパラッチはあの事故のあと、

怖くなったそうだ。

自分も殺されるかもしれないと不安になり、

ニューヨークへ逃げてきたって言ってた。


だから俺は、プリンス・チャーミングを

護るために、お前から遠ざけた。

これからも護るつもりだ。


プリンス・チャーミングを

だからあきらめろ。


どうしてもあきらめきれないならば、

お前は母親を殺さなければ

ならなくなるぞ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る