第13話 ジュンスとチャールズに訪れた不思議な絆~テキーラ・サンライズ

チャールズ・スペンサーと

プリンス・チャーミングのことは、

もはや誰もが知っている

スキャンダルだった。


チャールズが

その身分を捨ててまで

愛した美青年として、

プリンス・チャーミングは

皆に認識され、

その魔性の美貌は、

現代のドリアン・グレイ、

破滅の天使とも

呼ばれた。


プリンス・チャーミングは

クラブ・パラダイスの看板ドールとして、

ますます評価を高めることとなり、

もはやジュンスが

クラブ・パラダイスへ行こうとも、

遠くからその顔を見ることさへ

叶わなくなっていた。


そしてチャールズも

プリンス・チャーミングに会えない日々が、

続いていた。


そしてそんなある日、ふたりは

酒場で偶然、再会した。


すでにジュンスは

テキーラ・サンライズを

かなり飲んでいた。


もうかなり酔い潰れていた彼は、

テキーラをがぶ飲みしたのち、

珍しく自分から

「プリンス・チャーミングを

独り占めしている気分は、最高か?」

と、言いいながら

チャールズ・スペンサーに

絡んでいった。


「最高だよ」

と、チャールズ・スペンサーは

笑いながら言ったが、

そのあとすぐに、

「でも最近は、会っていない」

と悲しい目をして答えた。


それを聞いてジュンスは、

「そうか!」と叫び、

「お互いに、つらいな・・・」と言いながら、

酔いつぶれてしまった。

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