第11話 「チャールズ・スペンサー幼き日の出来事」

チャールズ・スペンサーは、

父親に自分がゲイであることを告白して

勘当され、その後継者候補から脱落し、

政治家としての未来を失ったが、

後悔はしていなかった。


思春期の頃から、チャールズを捉えて離さなかった

漠然とした苛立ちと不安。

それが何であったのか、

やっとわかったからだ。


自分が薄々感じていた

ある衝動と不安。

それは自分が

同性愛者かもしれないという

恐怖だった。



子供のころ、

大好きだった父親の友人が

ふたりいた。

ふたりは、音楽家で

父とも母とも

仲が良かった。


あるときその友人のひとりが、

もうひとりの友人を銃で撃ち、

自分も自殺した。


二人はゲイで、

恋人同士だったのだが、

あるとき一人が浮気をし

その現場を目撃したひとりが、

逆上して、もうひとりを

撃ち殺したものだった。


その現場に幼いチャールズは

偶然、居合わせ、

一部始終を見たのだった。


母親のことでふたりが喧嘩していた。

そして一人が銃を持ち出し・・・

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