第6話 プリンス・チャーミングとジュンス「偶然の再会」
プリンス・チャーミングは
オークションの日に
初めてジュンスと出会ったのだが、
なぜだか
初めて出会った気が
しなかった。
以前から知っているような気がして、
ならなかった。
そして出会った日から、
不思議いな夢を
見るようになった。
そしていつしか
不思議な夢を
毎日のように
見るようになっていた。
それは今まで
まったく見たことのない世界にいる夢で、
夢の中でプリンス・チャーミングは
女性だった。
そしていつも一人の青年が
絶対絶命の危機のときに現れ、
助けてくれるのだが
顔を見ようとすると・・・
いつもそこで
目覚めるのだった。
プリンス・チャーミングは、時どき
正夢を見ることがあった。
そしてこの毎日見る夢が
失われた記憶に
何か関連があるような気がして
しかたがなかった。
その日、プリンス・チャーミングは
夢の手掛かりが
何かつかめるのではないかと思い、
図書館と博物館へ行って
調べてみることにした。
そして外出許可を取り、
ひとり街中を歩き
図書館へ向かっていた。
その時、彼の姿を見かけ、
プリンス・チャーミングを追いかけた
クラブ・パラダイスの会員が
二人いた。
一人はジュンスで、
プリンス・チャーミングに
追い付き、声をかけた。
「プリンス・チャーミング、
歩くのが早いね」
突然、現れたジュンスに
プリンス・チャーミングは驚いたが、
それは嬉しい驚きでもあった。
「僕のこと、忘れた?」
「いえ、覚えてます。
この間は、どうもありがとうございました。
初対面で、あんなことを頼んで・・・」
「昼間、街中で見ると、
まったく違う印象で驚いたけど、
このほうが君に似合っていると思うよ」
その日、ふたりは
図書館と博物館へ行き、
楽しいひと時を
共に過ごした。
お腹がすいたので
帰りにレストランで
一緒に食事もした。
ただ一緒にいて、
話していただけだったから、
ふたりはそれが後に、
大きな問題になるとは、
まったく思っていなかった。
しかし実際は、
違っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます