第5話 秘密クラブ「パラダイス」オーナー 謎の実業家 ダニエル・リー

ダニエル・リーは、

表の敏腕実業家と云う顔と、

自身の理想を実現するためには

愛する者の犠牲もいとわない

冷酷な革命家の顔も

持ち合わせていた。


ダニエルはチベットに生まれ、

共産主義中国の侵略を

良しとは認めない、

誇り高き予言者の血を引く

青年だった。


頭脳明晰、容姿も優れ、

もともとは温和な性格の少年だった。

しかしチベットの文化を踏みにじり、

破壊しようとする

中国政府の政策に

異を唱えた父が、

家族ともども

無残に殺されてゆくのを

少年時代に目撃したことが、

彼の人生を変えた。


そのときひどい傷を

負いながらも

ひとり生き残った彼は、

復讐を誓った。


そしてそんな彼を救ったのが、

華僑の大商人だった

亡き父の友人だった。


彼はダニエル・リーという

新しい名前を得て、

父の友人の家で育った。


秘密クラブ「パラダイス」は、

世界中のレアで貴重な情報を

集めるために作った、

形を変えた

秘密情報機関だった。


彼は決してドールに

手を出さなかったし、

家族のように

愛してもいたが、

革命のために必要とあらば、

情報を得るために

権力者に生贄を差し出すことも

躊躇しなかった。

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