第3話 プリンス・チャーミングとジュンス②

その夜、ジュンスは結局、

プリンス・チャーミングの願いを聞き入れ、

朝まで彼と一緒にいた。



「あなたはなぜ、あんな大金を払って、

オークションで僕を買ったのですか?

何もする気がないのに、あんな大金を払うなんて

あなたこそ気がふれたとしか思えない。


第一、こういうことに興味がないようなのに、

なぜオークションに?」


「学生時代、大嫌いだった奴に街中で会ってさ、

そいつが私の友人のサーシャのことを侮辱して、

“サーシャよりも何倍も可愛い

新しい愛人を見つけた、見せてやる”、

と自慢するから見に来たんだ。

それが君だよ」


「それで嫌な友達への腹いせに、

オークションで僕を買ったんですか?」


「そうじゃない。君があまりに

サーシャに似ていたので、

サーシャがオークションにかけられているような

そんな気がした。

それもあの、嫌な奴に買われようとしていたから、

あまりに可哀そうで、見ていられなかった」

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