第127話【テスト終了】

「テスト終了です、では回収を始めます」


試験官達がテストを回収し始める。


「では採点に入りますので暫く休憩に入ります、1時間後に合格者発表の後

次の試験に移りますのでよろしくお願いします」


試験官がその場を去る。

受験者達は溜息を吐いたり各々過ごしている。


「ヴェンデス、さっきはサンキューな」

「あぁバーベナムか・・・お前意外にやるな・・・」

「何の事だ?それよりもペン有難うな」


ペンを返すバーベナム。


「おう・・・所でさっきのアキラ、テストで物凄い勢いで書いていたよな」

「アレには驚いた、一体どんなカラクリが有るんだ?」

「あらゆる分野に精通しているとか?」

「まさか、あの問題範囲の広さであんなに勢い良く書けるかよ・・・」

「何かイカサマを使っておった・・・と言いたいのかのぅヴェンデス」


よろよろになった長老が近づいて来る。


「長老・・・大丈夫か?」

「大丈夫に見えるのか・・・・・儂は今回も駄目じゃ・・・

殆ど勘に頼っている始末じゃ・・・」

「俺もだぜ長老!!」

「バーベナムは黙ってて・・・だが今回のテスト・・・相当落ちるぞこりゃあ・・・」

「だな・・・余裕そうな表情な奴は少ししか居ねぇ・・・

全員落ちても不思議じゃないテストだった」

「試験を考えた奴は受験者を全員落とす事を夢想するサディストに違いない」

「年寄りは労わって欲しいのぉ・・・」


沈黙する三人。


「休憩中に飯行かね?」


バーベナムが提案する。


「遠慮して置く、一時間後に始まるんだし次の試験は恐らく実地試験

激しい動きになるだろう、だから今回は遠慮しておく」

「そうじゃな・・・食べても良いが喰い過ぎには気を付けろ」

「分かってるよ、じゃな」


試験室を出て行くバーベナム。


「さてヴェンデス、これから如何する?敵情視察と行かないかの?」

「敵情視察?如何いう事だ長老?」

「なぁにルーキー共とか色んな奴の様子を見て見ようって事じゃ」

「・・・興味無いな」

「そうかの?じゃあ儂だけでやるとしようかの」

「何だかんだいって自信有るんじゃないのか長老」

「ははは、何かして無いと不安でしょうがないんじゃよ」

「大丈夫かよ爺さん・・・」

「うん、大丈夫、大丈夫な筈じゃ・・・じゃあ行って来る」


長老は席を立った。

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