第114話【ショコラの誤算】

「・・・・・でぶ妖精がまさか外部に救援を要請するとはな

完全に計算外だった・・・抜かったな・・・」


ショコラはふ、と笑みを浮かべた。


「しかし解せんな、何故お前はでぶ妖精の為に戦う?

そこに如何言うイデオロギーが有るんだ?」

「いや、普通に雇われただけだけど?」

「・・・・・雇われた・・・か

一体何を渡された?食べ物か?お菓子か?」

「いや普通に金を渡されたけど?」

「・・・でぶ妖精に貨幣価値が分かる頭が有るとは驚きだ」

「まぁこっちもでぶ妖精から依頼が来るのは初めてだよ・・・」


ヴェンデスは杖を構える。


「さて・・・【剣神騎ショコラ】と言ったか・・・尋ねたい事は色々有るが

まず聞いておきたい事がある」

「何だ?」

「お前は剣神騎と名乗っている様だが・・・見た所素手の様だな・・・

剣は一体何処に有るんだ?」

「でぶ妖精が相手なら素手で充分と思い剣を持って来なかったんだ」

「そうか・・・なら大人しく降伏しろ、素手で魔法使いに勝てる訳が無い」

「はっ、馬鹿にするなよ?魔法使い如き、素手で充分!!」


ヴェンデスに飛び掛かるショコラ。

しかしふぁさぁとシートがショコラにかかる。


「なっ!?」

「ヴェンデスさんだけじゃないんだよ!!」


シートを投げたポートがショコラに飛び膝蹴りを喰らわせる。


「ぐあ!!」


ショコラは倒れないがそれでもダメージが通った。

シートを取ったショコラが笑う。


「ふん・・・やるじゃないか・・・」

「立って居られるのか・・・」

「女子供の拳等効くか!!」

「!!」

「話の腰を折るようだが膝な」

「うるさい!!だがしかし・・・二対一はキツイな・・・」


ショコラは窓を開けた。


「おい、ここ結構高いぞ?大体地上5階位の高さの筈だ」

「知ってるよ、だがこうすれば如何だ?」


ショコラは近くのでぶ妖精が詰まった籠を開いて、でぶ妖精を窓の外に投げ捨てた。


「にょー」「にょー」「にょー」「にょー」「にょー」

「にょー」「にょー」「にょー」「にょー」「にょー」

「にょー」「にょー」「にょー」「にょー」「にょー」

「にょー」「にょー」「にょー」「にょー」「にょー」

「にょー」「にょー」「にょー」「にょー」「にょー」

「にょー」「にょー」「にょー」「にょー」「にょー」


「でぶ妖精をクッションにする気か!?」

「御名答だ!!じゃあな!!」


ショコラは窓から飛び降りた。


「くっ・・・不味いな、このままでは数の暴力でこっちがやられかねない・・・」

「急いで下に行きましょう!!」

「待った!!ポート!!ヴェンデスさん!!俺に良い考えが有る!!」


ハックが二人を静止した。

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