第90話【ドラゴンゾンビとの戦い、英雄のでぶ妖精】
ハックが開いた荷物の中には案の定本が一冊入っていた。
本のタイトルは【ドラゴンゾンビとの戦い、英雄のでぶ妖精】
「何だこのタイトルは・・・」
「英雄のでぶ妖精・・・悪くない響きにょ・・・」
「悪くない響きだけど何だこのタイトルは?」
「とりあえず読んでみるにょー」
「読んでみるか・・・」
ハックは本のページを開いた。
”私の名前はマッフィン・トップ、孤高の冒険家だ。
主に一人、ある時は愛馬と共に様々な場所に出向き
困難を乗り越えていた私だったが今回ばかりは
流石に骨が折れた、何しろあのドラゴンゾンビとの戦いなのだ。
ドラゴンゾンビ、普通のドラゴンよりも弱いが私ではとても歯が立たなかった。
今回、私が勝てたのはある勇敢な一匹のでぶ妖精のお陰でも有る事を明記しよう。
さて、私はその日自宅にてウィスキーを呑んでいた。
読者諸賢は既にご存知だろうが私は下戸である。
ウィスキーを呑むのは私のスタイルで憧れだが如何にも慣れない物だ。
そんな事をしている内に私の下に依頼が来た。
依頼の内容は【とある村を夜な夜な襲う邪悪な魔物達の討伐】
村の名は村からの要請により名を出す事の許可が得られなかったので伏せるが
何でもその村は夜な夜なゾンビの群れが襲い被害が出ているそうな
ゾンビ如き何するものぞ、と私は思い愛馬ブロックスターチを走らせその村へ向かった。
村についたのは夜、村ではゾンビ達に応戦する村の男達の姿が見えた。
男達は屈強でとても強い人々でゾンビを蹴散らしていたが
ゾンビの数は恐ろしい数で百は優に超えるまさに大群で多勢に無勢だった。
男達の顔には疲弊が見え、まさに押し切られる寸前だった。
私はすぐさま棒を取り出しゾンビの群れを千切っては投げ千切っては投げと言う具合に蹴散らした。
男達は私の奮闘を見て気力を取り戻し何とかゾンビ達を倒し続け朝になり
ゾンビ達は山に帰って行ったのだった。”
「・・・これ何処まで本当だ?」
後ろから覗いているウェンデスが尋ねる
「ゾンビと戦いましたが場所も違いますし全部嘘と言っても良いです」
「マジか、スゲェな」
「これはドン引きにょー・・・」
「・・・」
ペラりと続きのページを捲ると
嘘っぱちの詳細状況説明が続き辟易したので少し飛ばして見る事にした。
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