第68話【宿屋の一幕】

宿屋のロビーでは既にでぶ妖精を弄りながらハックが待っていた。


「皆さんお揃いで」

「ハック、随分早いじゃないか、何か手掛かりは有ったか?」

「日記を見つけて来ました」

「上々、こっちも何か進展が有るみたいだ」

「進展・・・と呼べるかは不安じゃが何かは有ったぞ」

「?」

「とりあえず部屋を取ろうか」


4人は宿屋で部屋を取り話を始めた。


「まずは日記から読み始めるか?」

「そうですね、俺もまだ中身は見てません」

「そうじゃな、儂も気になる」

「じゃあ中身を見て見ようか」


ローブの日記を読み進める。

日記の内容は繰り返しの日常に偶にリンが来た事が書かれているだけの物だった。

だがリンが来た時の日記の内容が普段の内容よりも数倍書かれており

明らかにリンの事を特別視していたのは明白だった。


「何だかなぁ・・・職場の話ではリンとはあまりいい関係では無かったらしいぞ?」

「そうなんですか?」

「職場の人も適当だからあんまり詳しい事は分からないけどさ・・・」

「とりあえず先に進みますね」


日記を読み進めて行くと仕事を首になった事が書かれる。

そこから職探しをするがあまり芳しくない事が分かる。


「依頼人のリン嬢と知り合いだったのだろう?彼女に頼めないのか?」

「書いてないな・・・」


色々と雲行きが怪しくなったが『幸せな昔の夢を見た』と書かれた日から

数日後に『せむし男に会った』と書かれ日記は終わっていた。


「・・・せむし男?」

「何だそりゃ?」

「アンタ等物を知らないのね

せむしって言うのは背骨が曲がっているっていう意味よ」

「骨折?」

「いや曲がっているのよ、でもせむし男って一体・・・」

「そのせむし男なら儂も会ったぞ」


クハルが会話をぶった切る。


「会った?何処で?」

「さっきの路地裏で声をかけられたんだ?」

「ちょっと待て、何の話だ?」

「さっきお前とキンが来る少し前に儂は高級住宅街から

誰も調査に言っていない貧民街に行こうとしたんだ、そして路地裏を通った時に

声をかけられたんだ、そのせむし男に」

「・・・同じ男なのだろうか・・・」

「せむし何てそう何人もいる門じゃないわ、多分同じ男で間違いないと思う」

「何と言うか現実感の無い出会いじゃったが・・・」

「現実感の無い?」

「言っていた事が突拍子も無い事じゃったからかな・・・」

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