第50話【工房にて】

ハックはセグラメント工房の警備の依頼を受ける事にした


「良いの?あそこ結構評判悪いけども」

「警備とかってやってみたかったでしたからね」

「変なハック」


呆れるキュー


「俺も参加しよう」

「ヴェンデスさんも?」

「最近金が無いからな」

「うーん、この依頼って一人2Gって書いてないから

2Gを二人で分ける感じになると思いますよ?」

「他の依頼はでぶ妖精集めとかそんなのしか無いからな

今一番実入りの良い仕事はこれだ」

「まぁそれもそうですね・・・」


ハックとヴェンデスはセグラメント工房に向かった

工房へ向かう馬車で軽く話をした


「そういえばヴェンデスさんと仕事するのは初めてでしたね」

「それもそうだな・・・まぁ今回はワインを守れば良いんだし楽勝だろ」

「自信たっぷりですね・・・」

「まぁな、時間制限有るんだしそれまで守り切れば良いって楽勝だろ」

「そんなもんですかねぇ・・・」

「そんなもんなの」


やけに自信たっぷりなヴェンデスと共に工房に辿り着いたハック

工房には工房の主トールォ・セグラメントが居た


「こんにちは、私がトールォ・セグラメントです」

「神州進撃会のハックです」

「同じくヴェンデスです」

「・・・二人だけですか?」

「えぇ、何か」

「・・・てっきりもっと大勢で来られるかと」

「報酬額が2Gだったので妥当かと・・・」

「い、いや、その・・・まぁ一応見回りの警備は居るのですが

こうして怪盗に予告状を出されるのは初めての経験でして

相場とか良く分からず・・・」

「まぁ仕方ないですね・・・」

「セグラメントさん」


警備の一人がトールォに話しかける


「何かね?」

「モーニング氏がパーティに関して打ち合わせがしたいと」

「またか・・・分かった、直ぐに行くと伝えてくれ」

「分かりました」

「すみません、実は『トワイライト』を呑むパーティで

食事を任せた外部業者が打ち合わせを頻繁にしてくるもんで・・・」

「良い事じゃないですか、私達の事は良いのでどうぞ」

「すみません・・・」


トールォが去って行く


「モーニングさん、大規模なパーティでの指名ってここの事だったのか・・・」

「確かそんな事言ってたな・・・ん?」

「如何しました?」

「何か変じゃないか?予告状が来る前にパーティの依頼が有ったって事だろ?

何で予告状が来る前にパーティをするんだ?ワインを開ける訳でも無いし」

「元々パーティはやる予定が有って予告状が来たから

『じゃあさっさと呑んでしまおう』って予定変更して

パーティでワインを飲む事にしたんじゃないんですか?」

「なるほど、それも一理あるな」

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