幕間【でぶ妖精を探せsideでぶ妖精】

「にょー」


木の上の洞ででぶ妖精が目を覚ましました

何でこんな所にでぶ妖精が居るのかと言うと

このでぶ妖精を自分の巣から落ちた卵だと勘違いした鳥が巣の上に連れてきてしまったからである


「りんごーりんごー」


幸いにも連れて来られた気がリンゴの木だったので食べ物には困りませんでした

でぶ妖精の柔らかな体では飛び降りても平気でしょうが

楽に御飯が食べられるのならば木の上も悪くない生活でしょう


「りんごー・・・にょおおお」


おやおや取ろうとしたリンゴが落っこちてしまいました


「にょーん・・・」


何回かリンゴを取る事に失敗しながらもリンゴを取る事に成功しました

良かったね、おでぶちゃん


「むーしゃむーしゃ」


こんな日々ぐーたらしているおでぶちゃんですが夢が有ります

それは街で優しいオッサンに養って貰う事です


この近辺のでぶ妖精達にとって御飯をくれる人間は優しいオッサンと呼称されます

大昔からの伝説ででぶ妖精に沢山御飯をあげた優しいオッサンに敬意を表して

御飯を繰れる人を優しいオッサンと呼びます


「おなかいっぱーい」


とは言えこんな山の中にやって来る物好きは少ないのでぐーたらに過ごす

おでぶちゃんにとってはあわよくばと言う思いで悲観せずに過ごしています


「にぇむい・・・」


おやおや御飯を食べてすぐ寝ると太りますよ


と寝ようとしたその時、何か物音が聞こえます

下を覗くと沢山のでぶ妖精を捕まえている二人の人間が居るでは無いですか


「にょ?」


沢山のでぶ妖精を捕まえるなんてきっとでぶ妖精が好きなんだな

だったら御飯を貰えるかもしれない!!

そう思ったでぶ妖精は木の上かた飛び降りました


ぽにょん、と男の人間さんの肩に飛び移る事に成功しました

そのままポケットに入りこみ、眠くなったので眠りました


すーやすーやと眠っていると急に衝撃が来ました


「にょぉぉぉお・・・」

「ん・・・?」


自分をすっぽりと掴める大きな手ででぶ妖精はポケットから出されました


「にょー・・・」

「紛れ込んでいたのか・・・如何しよう」

「如何した?」

「でぶ妖精が服に紛れ込んでいたみたいで・・・」

「ふーん、むにむにして触り心地良いし飼ってみたら?」

「飼ってみたらって・・・ここペット飼って良いんですか?」

「ペット可だ、でぶ妖精は大人しいしぐーたらだから散歩に連れ出す必要もない」

「・・・・・まぁ引き渡すなら大きくなってからでも良いか

じゃあ、おでぶちゃん、これから付き合いが短いか長いか分からんがよろしくな!!」

「にょ!!」


そんな紆余曲折有ってでぶ妖精がハックの元へやって来ました

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