第5話【ちくわの朝】
「・・・ん」
ハックは寮の部屋で目を覚ました、ヴェンデスは居なかった
「・・・今日から本格的に冒険者か・・・頑張らないとな」
ガチャリ、とドアが開いた
「起きたか、朝飯持って来たぞ」
大皿片手にヴェンデスが入って来た
「良いんですか?」
「ギルドからの差し入れみたいなもんだし気にするな」
「ありがとうございま・・・す?」
大皿の上にはちくわ、ちくわの磯辺揚げ、ちくわのきゅうり詰めが何本か乗っかっていた
「・・・・・」
「言いたい事は分からなくもないが、タダだし喰っとけ」
そう言いながら磯部揚げを喰らうヴェンデス
「頂きます」
きゅうり詰めを食べるハック
「・・・変な料理ですね」
「作るのは結構大変みたいだぞ?
ちくわの穴にきゅうりを入れるのは精密な作業らしい」
「意味分かんねー・・・」
「・・・・・そーいやお前歳は?」
「17っす」
「じゃあまだ酒は早いか?」
「そーっすね」
「んじゃ俺だけでも」
そう言いながら部屋の中の酒瓶から酒を飲むヴェンデス
「朝から呑むんすか?」
「旨い肴にゃあ酒だ、時間は関係ねぇ」
「は、はぁ・・・」
ちくわを食べ進めて行く二人、何時の間にか皿も空になった
「ごちそうさまでした、意外に全部食べられましたね」
「料理した奴の腕が良いんだな、所でお前、今日は如何する?」
「そーですね・・・仕事をしようかなと思います」
「そーか、今有る仕事だとでぶ妖精集め何か良いんじゃないか?」
「でぶ妖精集めですか?」
「ほろ酔いでも出来る仕事だよ」
「そうなんすか?」
「そうだよ
昨日まで有った仕事で一番冒険っぽい仕事だし初心者向けだな」
「初心者向けねぇ・・・」
「でぶ妖精多そうな場所教えるよ」
「多そうな場所ですか、結構そこら辺に居そうな気もしますが」
でぶ妖精とは(/ω\)こんな顔の
丸い胴体に棒の様な手足が生えた食いしん坊な妖精(?)で
怠け者なので簡単に取れる食料が有る場所に多く生息している
人の生活圏にも多く生息しているが・・・
「業者さんが居るからな」
「業者さん?」
「そう言う奴が有るんだよ」
「田舎じゃ無かったですね、そういうの
でも自力で捕まえられそうな気もしますがね・・・」
「でぶ妖精集めって危険は無いがそれなりに難しいからな」
「難しい?」
「やれば分かるよ」
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