第3話【ギルドの仕事】

「さてと、じゃあ私は色々書類書いちゃうけどもお二人さん如何する?

仕事してく?それとも帰る?」


キューはそう言いながら書き物机に向かう


「仕事・・・って具体的に何が?」

「そこのコルクボードに色々貼って有るでしょ?

好きなの選んで私に持って来て依頼受理するから」


キューが指差した先には何枚かメモ用紙が貼ってあるコルクボードが有った


「どれどれ・・・」


”タンポポ仕分け作業 報酬:50F”

”牧場のカピパラ番 報酬50F”

”でぶ妖精捕獲 報酬歩合制”

etc…


「・・・なんつーか、地味だな」

「まぁうちのギルドに来る依頼はショボい奴が多いけども

君はまだ新人さんだし丁度良いんじゃない?」

「うーん・・・」

「キューちゃん、戦闘系の依頼無いし私はもう帰るね」

「うん、御疲れー」


ポートが部屋から出ていく


「・・・うーん・・・良い奴が無いな・・・」

「じゃあ止めとく?そういえば君、住む場所は?」

「まだ決めてない」

「行き当たりばったりだな、ギルドメンバーは格安で寝泊まり出来る寮があるけど如何?」

「あ、入居したい」

「じゃ寮への転入書類も書いちゃうか」

「すまないね」

「仕事だし良いよ別に」


テキパキと仕事を済ませるキューを見るハック


「・・・何だか慣れてるな」

「うん、新人さんの加入届とかの書類仕事は大体私の仕事だしね」

「そうなのか?若いのに凄いな」

「んー・・・何か知らないけど結構長くいるから

面倒をボスからどんどん任されちゃって」

「ボス?」

「名目上のギルドマスター、だけど普段居ないから・・・」

「普段居ないって・・・行方不明?」

「いや本人は別のギルドの所属員だからこっちに顔出さないんだ」

「二つのギルドかけもち?アリなのか?」

「うん、私も兼業でやっているし

このギルドの人達って大体兼業とかパートタイマーみたいなもんだよ

仕事も偶に変な仕事も来るけど大体は簡単だったりするから

特殊な技能は要らないし、空いた時間で仕事出来るよ」

「なんだかなぁ・・・」


想像とは違うギルドの内情に少しがっかりするハック


「今日は来てないみたいだけど戦闘系の仕事も来るし

そう慌てる事は無いよ」

「そうか・・・」

「うん・・・あ・・・」

「うん?如何かした?」

「ゴメン、ちょっと待ってて」


キューは何かに気が付き慌てて外に出て行った


「・・・一体何だって言うんだ?」


ハックは首を傾げたが、数分後、再びキューが戻って来た


「御待たせ、ちょっと申し訳ないんだけどさ、寮一杯だったから

相部屋でも良い?部屋代半分で良いから」

「相部屋?いや・・・んー・・・」

「同室の奴は変わり者だけど良い奴だからさ」

「・・・まぁ住む所も無いし」

「じゃあ寮に案内するよ」

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