第2話【神州進撃会】
ハックは父親から紹介されたギルド【神州進撃会】を探していた
「確かこの辺りの筈なんだが・・・あ、有った有った」
建物の看板に【神州進撃会】と
シンボルマークらしいハンマーの様な紋章が書かれていた
意気揚々と中に入るとそこには様々なテナントが入っており
【神州進撃会】もその中の一つで、一室を間借りしてそこに本拠を置いている
大手のギルドに比べて見れば大した事の無い、まさに雲泥の差だった
何かの借事務所の様な印象すら受けた
ギルドのドア前にまでやって来たがそこで立ち止まる
「うーん・・・ここで良いのか?」
もっと大きいギルドに入った方が良いのではないか、とハックは逡巡した、が
「如何したんだい?」
「おわっ!?」
後ろから二人の美少女が話しかけて来た
一人は如何にも武闘家と言う少女で紙袋を持っていた
もう一人は長袖にミニスカートと言う出で立ちだが
落ち着いた印象を受ける少女だった
「如何したんだい?」
再度ミニスカートの方が声をかけた
「あ、えーとギルド加入希望なんだけど・・・」
「あ、そうなんだ、どうぞ中にー」
ガチャリとドアを開けると中には机と椅子が並べられており
ギルド内の伝言版としての黒板やら色々な雑貨が並べられていた
「まぁ散らかっているが座ってくれ、ポート、荷物置いて来て」
武道家の様な少女はコクリと頷くと荷物を置きに行った
「さてと、じゃあギルド加入の前に幾つか聞きたい事が有るんだが
まず名前は名前」
「ハックだ」
「ハックね、男だよね?」
「男だよ、まぁイケメンだから女に間違われるかもしれないが」
「ハッ、じゃあ職業は何をしている?」
「職業?・・・俺は冒険家になりたくてこのギルドのドアを叩いたんだが・・・」
「正確にはドアの前で突っ立っていたんだけどね」
「うっさい」
「まぁ兎に角見習い冒険者って事で良いかな?」
「そうなるな・・・あ、紹介状貰って来たんだが」
「・・・紹介状?誰から?」
「父、エイトって言う元農家の絵本描き何だけど知らない?」
「知らないな・・・だが分かった、ボスに渡しておくよ
でも別に紹介状が無くてもこのギルドには入れるぞ?」
「そうなのか?」
「ガチガチの戦闘でも採取でも生産ギルドでもないからな
強いて言うなら何でもやるギルド?みたいな感じか」
「そうなのか・・・」
「キューちゃん、荷物置いたよ」
武道家がミニスカートに報告する
「ん、ありがと、じゃあエイト、自己紹介をしておくよ
私は踊り子のキュー、彼女が拳闘士のポート、ポート
彼が新しく入る見習い冒険家のハック」
「よろしく」
手を差し出すポート
「よろしく」
握り返すハック、こうして冒険者ハックが誕生したのであった
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