第46話 魔力ゴーレム

 今日は何を作るか。

 スティンガーミサイルとロケットランチャーの魔道具の設計だけでもやっとこう。

 そういえば魔力障壁の時消えた魔力はどこにいくのだろう。

 熱エネルギーなど別の物になるのか。

 そんな感じはなかった。

 アビリティを発動させる時のイメージは魔力を眠りつかせるだ。

 眠りつかせた魔力がどこかにあるはず。




 一人で考えたくなって南の草原に気分転換に散歩に行く。

 ふと考える体内にある魔力はどこから来たのか。

 空気からと考えるのが自然だろう。

 空気中の魔力を意識して分析する。

 霧の中にいるみたいになった。

 この魔力を利用できないだろうか。


 前にガスでゴーレム作ったけど、魔力でゴーレム作れないないか。

 やってみる。

 おお出来たぞ。

 自分周りの魔力だけだが凄い魔力量だ。

 自分の十倍は有りそう。


 ゴーレム操作を発動して動かしてみる。

 動きが早いな最強伝説の始まりか。

 おっと、今体にぶつかってすり抜けたぞ。

 それより今ゴーレム操作のスキルとアビリティの分析を同時に使ってる。


 どうしてだ。

 そうだゴブリン退治の時も同時に使ってた。

 謎がまた増えた。

 それは追々考える。

 先にすり抜けた件を解決しなければ。




 魔力は物をすり抜ける。

 当たり前だ体の中にあるときもそうだ。

 霧のような魔力がうっとうしいので分析をゴーレムだけ見るように切り替える。

 しょうがない。

 すり抜けるのは諦めよう。

 魔力の有効活用は魔術だな。


 ゴーレムに魔術を撃つイメージを送る。

 何も起きない。

 当たり前だ。

 ただのゴーレムだ。




 ミスリル液をゴーレムを作る時に混ぜたらどうか。

 急いでハンターギルドに行き買って戻る。

 よしやるぞ。

 ミスリル液を撒きゴーレムを作る。

 失敗した。

 そりゃ液体とエネルギーは混ざらないよな。




 もう少し考えを進めてみる。

 前にスマホに例えたがまたやってみよう。


 スキルはアプリ、ゴーレムはスピーカー。

 ゴーレムをスマホにすればアプリは入る。


 スマホは何だ。人間の体かな。魔獣の魔石もそうだ。

 人間の体と魔石違いがありすぎ。

 本当に合っているのか。

 疑ってみるとしよう。

 その説が違うとすれば二つに共通しているのは魔力しかない。

 確かに実際に色々な動きするのは魔力だから魔力がスマホだ。

 そうなると、人間の体と魔石はOS兼バッテリーになる。


 ゴーレムは魔力は持っているから既にスマホと言える。

 アプリが入れられないのはOSが無いからだ。

 人間のOSはどこにある。

 脳にあるスキルを司っている魔力の塊がOSだろう。

 契約魔法でOSをコピーすればゴーレムにスキルを入れられるってことだ。

 やってみるか。

 魔力ゴーレムを連れて家に大急ぎで帰る。




「フィオレラ、お仕事中にすまない。ちょっといい?」


 フィオレラに仮説を説明して、庭に移動する。


「ここに魔力ゴーレムが居るんだ。分析で見てもらえば分かる。それにスキルの管理と制御機能を入れてほしい。それと適当なスキルだ」


 フィオレラは懐疑的だが挑戦はしてくれるようだ。


「話は大体分かりましたやってみます。【契約魔法】【スキルの管理と制御を許可する土魔法のスキルを許可する】【契約確認】。信じられない上手くいってます」

「【土魔法】おおっ」


 石壁がゴーレムから出せた。


 しかも、ゴーレムの魔力を使うと意識したら、そっちの魔力を使ってる。

 これは画期的だ。

 フィオレラは驚きを隠せないようだ。


「そんな事が出来るなんて研究者が知ったら、卒倒しそうです」


 これで魔法撃ち放題だ。

 しかし、魔法は飛ばしても遅いから避けられる可能性があるから、使い方を考えないと。




 攻撃だけなら魔石銃がある。

 使い勝手もいい。

 魔力ゴーレム特有の攻撃方法を考えないと。

 魔術師ゴーレムの必殺技と言えば抱きついてからの自爆攻撃が最も恐ろしいと本に書いてあった。

 火魔法だと魔石を傷つけそうだから雷魔法で自爆するか。

 そういえば魔力ゴーレムは地面にめり込まない。

 すり抜けができるのかやってみよう。

 地面もすり抜けられた。

 もしかして浮いているのか。

 地面から浮かしてみる。

 うん浮かぶ。

 対空自爆攻撃もできそうだ。

 射程は十五メートルだが。




 後二つほど必殺技が欲しい。

 思いついたのは魔力のごり押しの方法だ。

 風魔法で竜巻を作る勿論内部は風の刃付にするトルネード戦法。

 もう一つは念動でひたすら弾を加速させる加速砲戦法。

 どこかで試したい。

 それと、魔力ゴーレムをフィオレラが作ったらどうなるのか。後で試してみよう。


「フィオレラ今日の午後は東の荒野で新しい戦法を試したい。二人にも来て欲しい。ローレッタが弓場から帰ったら、伝えてくれ」

「はい伝えます」




 ゴーレム操作スキルと分析アビリティの同時使用の謎を解かねば。

 自室でベットに横になりながら考えた。

 分析はアビリティでは無いというのが一番しっくりくる。

 では何だろう。

 情報を整理してみるか。




 例によってスマホに例えると。

 分析は電話機能かな。

 アプリに関係なく使えるそれなら分かる。


 普通の人は電話契約していない状態か。

 契約ようするに魔力を一度でも意識できれば分析は使える事になる。

 俺は神様から魔力を与えると言われて魔力があると信じ込み。

 元の世界には魔力がない。

 もし、魔力が有ったら、絶対その差異が分かると思い込んだ。

 それで分析が使えたのか。


 それとアビリティとスキルの同時使用が長い時間俺が出来ないのは俺のOSがへっぽこということか。

 OSは個人差があるのだな。

 ローレッタのOSは優秀という事だろう。

 仮説にすぎないが、そう思う事にした。


 スキル言語を考える。

 スキル言語は記憶喪失でも忘れないと言っていた。

 OSに搭載されているのかもしれない。

 沢山考えたら、お腹が空いた。




 リビングに行くと昼飯の準備は整っていてローレッタも帰ってきていた。


「二人共、急に予定を決めて悪い。都合が悪ければ延期するが」

「私はアクセサリー作りなので大丈夫です」

「魔力の充填の合間に弓の稽古すのは飽いだ」


 そうだ他人の魔力の分析をローレッタに教えてなかった。ローレッタに教える。


「横にもやらったゴーレムが立ってら」

「午後はこいつの試験だ。昼飯を頂こう」


 急いで昼飯をかきこむ。わくわくが止まらない。

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