第8話 ()「」
本来、我々――星人に睡眠は必要ない。
しかし、地球人の生態調査のため『睡眠試験』なるものが実施されることになった。
特に我々――星人が「夢」を見るかどうかが重要らしい。
私はこの試験に合格すべく、地球人の標準的な睡眠時間に加え、学校でも睡眠を試す事にした。
何故ならば、早く試験にクリアした者には
こうして私の睡眠チャレンジは始まった。
しかし一向に寝れない。
それどころかちょっとした問題が発生した。
何やらケイジ君に、さらなる視線を向けられるようになってしまった。
ただ寝ているだけ、いや眠れてはいないが、フリなら完璧なはずなのに。
いったい何が気になると言うんだケイジ君。
などと思っていると、ケイジ君が友人の……みた……みて……ミテナイ君と話を始めた。
それに耳をそばだてる。
どうにも私が起きる時間が正確すぎるのが、彼を怪しませるに至った原因らしい。
確かに、授業に支障がないようにと、行っていた事だが、怪しいと言われてみればその通りだ。
いつも通りチャイムが鳴る前に起きてみる。
するとミテナイ君が「ホントだ……」と呟いた。
やっぱり不自然だったらしい。
以後、気を付けなければ。
しかし、ケイジ君がそこまで私が寝ているか寝ていないか気になっていると思うと不思議と面白くなってきた。
そこでちょっとしたイタズラを思いついた。
授業が終わる、いつも通り、机に突っ伏す。
寝息をたてれば準備は完了だ。
ケイジ君の観察が始まる、その時。
今だ。
「ケイジ……くん……」
ふふ、このイタズラにどう反応するのかな君は。
気味が悪いと思われなけばいいのだが……ちょっと不安になってきた。
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