第3話 地球からの手紙
シロホシ・レイラは宇宙人である
本当の名前はまだ知らない。
これから知る事があるとも思えん。
シロホシに対して、こう忌避感を覚えたりだとか、逆に好意を持つだとか、そう言う事は今のところない。
まあ、話してもいないので当然だ。
ただ、一つだけ、うっとうしく思う事がある。
アイツの髪だ。
あの鏡で出来たような髪はなぜか太陽光を的確に反射し俺に突き刺さる仕様になっている。
そのせいで授業に集中出来ないでいた。
いったいなんだというのだ。
なんの嫌がらせだ。俺が何をしたというのだ。
……いや、ジロジロと見てはいたか。
もう見るなという意思表示だろうか。
しかし、シロホシが宇宙人であるという事が相互理解された時に、アイツはたいして気にしてる風でもなく、その後、アイツもこっちをジロジロと見て来たではないか。
それは今も続いている。
じゃあ理由はなんだ? まさか本当にただの仕様だと言うんじゃあるまいな。
だが本人にその真相を確かめるのは気が引ける。
そもそも、俺以外には黒髪に見えているのだ。
そこに「あの、髪の毛眩しいんだけど」などと言ってみろ。
クラスの女子達が「え、なにあれ、急に三鷹がシロホシさんのキューティクル褒め始めたんだけど」「ウケる」「やだー、天使の輪チョー綺麗じゃーん。みたいな? アハハ」などと言うに決まっている。
宇宙人バレの時は向こうから気づいて、教室の隅でこっそり話をしたのだ。
簡潔に、それは目がどうのこうのと。
だけど、こっちからシロホシにこっそりとなんてできるはずもない。
アイツがどんな擬態をしているのか知らないが、普段の態度も相まって、今やクラスのアイドル的存在になっている。
隣の席ではあるが、その短い距離の間にはとても大きな隔たりがあった。
どうすればいいか、悩んだ俺が出した結論が、その隔たりの上を通る事だった。
授業中、皆が教科書やら黒板に、前に集中してる時を狙ってそれは行われた。
宇宙への
内容は簡潔に。
『髪の毛眩しいんだけど』
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