第2話 〇×△□

 まさか宇宙人だと気づかれるとは思わなかった。

 彼の名前は三鷹ケイジ。

 特筆すべき点もない極々平凡な高校一年生だ。

 その瞳を除いては。

 私の擬態を見破る眼を持つ地球人がいるとは思わなかった。

 ――星の技術も、まだまだ発展途上らしい。

 地球に来た理由はいくつかある。

 人間の観察も、その一つではある。全てではないけれどね。

 だけど、こうも面白いを見つけては観察せざるを得ない。

 君の眼は特別だ。私の観察対象に選ばれた。これから苦労するだろうと親切に助言をしておいた。

 心構えをしておく。地球人が――星人に対して出来る反抗など、その程度のモノだ。

 さあ、これから毎日が楽しくなる。

 平凡な高校生は、しきりにこちらを気にしてくる。

 彼の目には、美しい私の――色の髪と、――色の瞳が、さぞ麗しく映っている事だろう。

 

 しかし、観察するまではいいが、想定外の事態だ。異星人だとバレた時の接触の仕方マニュアルが分からない。

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