ファーストコンタクト=オンリー=モノローグ

亜未田久志

本編

第1話 隣り合い宇宙

 

 意外にも、人類の異星人との第一次接近遭遇ファーストコンタクトは、とてもあっさりしたものだった。

 ――県立南高校に入学した初日の事だった。

 俺が隣の席のが宇宙人であると気づいたのは。

 ソイツ曰く「それは、目がいいからだ。君も苦労するね」と言われた。

 これからお前が苦労を掛けてくるんじゃないだろうなと身構えたが特に何もなかった。

 もちろん、これから起こる可能性もある。

 鏡面の髪の毛とラピスラズリのような瞳を持つその少女。

(ただし俺以外からは黒髪黒目に見えている)

 その名を「シロホシ・レイラ」と名乗り、堂々と教室で自己紹介をした。

 俺はその異形……というほどでもない異常な存在に目を奪われる。

 やたらこっちを見てくる男子がいる、みたいな反応で誤魔化していたシロホシも、それが宇宙人へと向けられた視線だと気づくと。態度を変え、こちらを値踏みするような、観察するような目つきになり、どこかにやついた表情をするようになった。

 交わした言葉は上のやりとりだけ。

 それ以来、しばらく話していない。


 いったい宇宙人相手に何を話せというのだろう。

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