第9話

あの始業式から1週間。引き継ぎ作業が終了しはれて……では無いけれど正式に生徒会としての活動が始まった。


「えーっとですね、今週から私たち6人での生徒会が始まります。1年間よろしくお願いします。ということでまず、初仕事の予算算出をしなきゃいけないだけど」

予算算出?そんなもんどうやってやれと。

「それは俺から説明するね。まずは歳入確認。これは簡単に終わると思う。次は──」

「いや、あの、とっても言いづらいんだけど」

「何?」

「この作業は体育祭運営と同時にやらなきゃいけなくて、とりあえず備品の確認と体育祭の予算だけ出したらあとは陽斗くんに全部お願いすることになるの……」

え……。なにそれ陽斗可哀想。陽斗も驚きすぎて開いた口が塞がってないぞ。

「まぁでも体育祭関連はみんなでやるしそれさえ終わればあとは少し時間あるから、ね!」

「は、はい……」

あーあー陽斗撃沈じゃん。敬語になっちゃってるし。

「で、現場の運営は実行委員を募ってそっちでやってもらうことになってるけどある程度の骨子は議会承認が必要で生徒会が決めるから今週末の議会で通せるように今から、頑張ろう!」

は?今週末?

「え?雅ちゃん今なんて?」

「頑張ろうって言ったんだけど?」

「いやその前」

そこな訳ないだろ。

「今週末までに骨子を決めて議会で通すって……あ、もしかして休日出勤だと思った?いやそんなことは無いから大丈夫よ!」

「今週末って今日と議会がある金曜日除いて3日しかないんだよ?それで出来ると思ってるの?」

そうだそうだ。そんなの無理だ。

「え、あ、そうじゃん……。でもやらないと体育祭できないよ?しかも昨年までの生徒会もやってる訳で……」

「ううん、雅ちゃん、今年は去年より1週間早いわ。さすがにこんな無茶なスケジュールではやってないよ……」

ってことは……??

「「「「無理やん」」」」

ですよねーーー。

「でもやらなかんやん」

「なんかないの?かいちょー」

誰も思い浮かんでないのにそんなすぐ浮かぶわけないやんな……


「あっ!」

ふぁっ!?んーえーっと誰だっけ……。あ、竹本紅葉さんや。なんか思いついたんですか!?

「そもそも種目決まってないのに組めるわけないので予算だけ去年+10%とかで組んであとはその都度もしくは委任ってことにできない?」

さすが役員や。さすがや。……ん?俺?役員になった記憶ないなぁと思いますねぇ。

「いいじゃん。明日顧問に聞いて明後日の議会で提案しよう」

「雅ちゃんそれは甘いよ。今日中に顧問説得して明日に臨時議会開いて明後日までに結論出すぐらいじゃないと無理だと思うよ。前例がないことだし」

「わかった。じゃあ陽斗くんは去年の資料用意しといて。私と紅葉ちゃんで顧問室に行ってくる。」

「「了解」」

「透は議会招集の紙刷っといて。で残りの2人で実行委の資料作成終わったら透が決済しといて」

「「「らじゃー」」」

なんか面倒くさそうだな……という気持ちが顔に出てたのか

「期待してますよ〜秘書くん♡」

雅が声をかけてきた。我ながらチョロいな。

これでやる気出ちゃうんだもんな。

よし、頑張ろう!

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