第5話
「はぁ。ほんとに透は面白いわね」
「どこがだよ。なんも面白くないわ。何が''好きなキャラは?''だ」
そう。生まれてから16年。ほぼ全ての人とのチャンネルを閉ざし平穏無事に過ごしてきた俺の人生はこいつの一言で終わりを告げた。
「仕方ないじゃない。私は悪くないわ。あんな簡単なのに引っ掛かる透が悪いのよ」
「え?俺悪いの?悪くないよね?引っ掛けた方が圧倒的に悪いよね。しかもこのせいで俺の学校生活と生徒会活動に支障をきたしたらどうしてくれるんだ」
「大丈夫よ。私がいるもの。私は簡単な言葉遊びに引っかかる透も可愛くて好きよ?」
んんんんんんん/////////
「ほらほら〜。顔赤いよ〜♪照れてるの丸わかりだよ〜?///」
「あ、赤くなんてないし……?っていうかお前も赤───」
「ん?なんか言った〜?」
「言ってないし……」
「ふーん??」
なんだよ。そんなに俺をいじるのが楽しいんですか。さいですか。もう反応してやらねー。
「ねぇ透。」
「何?」
あ、やらかした。
「明日からもよろしくね!♡」
「お、おう///」
「透また照れた〜♪」
「照れてないし────あ、」
これだけは聞いておかなければ。
「どうかした?」
「秘書ってただのパシリじゃないよな?」
「何言ってるの?そんなわけないでしょ(笑)」
あ、パシリ確定ですねこれ。
「私の事そんなふうに思ってたなんて心外だなぁ」
「そういうのは日頃の行いがいい人が言う言葉だろ」
「私は日頃の行いいいですぅ〜。透みたいにゴミ生活送ってません〜」
「なっ……俺をそんなふうに(略」
「あ、でも真面目な方でそんなことないから大丈夫よ。まぁ歴代の会長の中には7人目の役員として置いてた人もいるぐらいだし激務ではあるみたいだけどね。ほんとに大丈夫かしら透で」
選んだの君だよね?雅さん……
「愚問だな。俺を選んだやつに言われたくはないが無理だ。不可能」
「そんなこと言わないで頑張ってよ!」
「善処することを前向きに検討することを考えてみるわ」
「馬鹿なの透、秘書がいないと県全体の生徒会活動が麻痺するのよ!」
「そんなの知ったことじゃ────」
って、ん????ん?
県全体!?
「な、何言って……」
「うちの高校は紛れもなくというか腐っても県下トップ校。県の生徒会連盟の会長は例外2件を除きうちの高校の会長が兼任してきてるわ」
「例外2件?」
「なんだったからしら。まだ任期引き継ぎもしてないしわからないわ。とにかく、透には頑張って貰わないとね!」
「はいはい」
「明日から引き継ぎだから心しときなさいよ。じゃ、また明日!バイバイ!」
「おう、また明日」
夏休み明け初日。ただでさえ憂鬱な1日。なにかまためんどくさい事が起きそうな予感がする。これから1年、もう1日で限界なのに、耐えれるかどうかはともかく雅会長さんのためにも一肌脱ぎますか。
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