第3話

自己紹介とは友達を作る時もしくは人と共同作業が必要になり自分のことをほかの人に紹介する儀式のことである。幼稚園や保育園に入る頃、人によってはその前から、死ぬまで、つまり新しい出会いがある限りこの儀式は続く。

この万国共通の儀式だが普通の人であれば何も困ることは無い。

だが、コミュ障でかつヲタクの俺は、そもそも人との関わりを苦手とし、そしてそれは自己紹介といえどその本領を遺憾無く発揮する

つまり……


詰 ん だ ☆


「とりあえず名前と役職ぐらいは覚えておいてね。」

なんか会長さんが喋ってる〜(笑)あぁやばいやばいよ……と、その時視界の隅に映ったのは俺と同じように、いやそれ以上にパニックになっている人の姿であった……

「透も桜ちゃんも落ち着いて。たかが自己紹介じゃない……」

ん?なんか今変なことが聞こえた気がするなぁ……

''たかが''と言ったなこいつ。もう1回コミュ障というものを叩き込んでやらねばならない。

「雅、お前な、自己紹介が''たかが''と……」

「雅ちゃん!!!!!それは間違ってますよ!!!!!!!」

!?!?!?ふぁっ!?何今の声……ってまさか……あのさっき言ってた桜ちゃんとかいう人……か?いやでもさっきからコミュ障オーラバチバチに感じるんですけど……?

「''たかが''自己紹介じゃないんです!!!そんなの自己紹介さんに失礼です!!!」

あ、そういうことか同士じゃねーかよ(笑)よく分かってらっしゃる

「自己紹介さんに謝ってください!」


は……?


俺がおかしいのかな?いやそんなことは無いはず本人以外全員''何喋ってるのこの子''みたいな顔してるもん。


「早く!謝ってください!!」


「あ、うん、ごめんね……?」

「それでいいんです。自己紹介さんは優しいのできっと許してくれます」

「そ、そ、そうね💦じゃ、じゃあ気を取り直して。」

これ大丈夫なのか生徒会よ。

「まず私から見て右側、副会長から紹介していくわ。オレンジの髪の方が副会長でも会長補佐担当の竹本紅葉ちゃんよ。会長補佐は私が不在の時会長代行を務めたり私の代わりに挨拶したりする役目のことよ。次に副会長の広報担当の緑の髪、緑川希ちゃんよ。広報担当は他校との折衝、入試に向けたパンフレットの作成、文化祭や体育祭のプログラム制作、配布などの仕事があるわ。つまり校内業務の補佐は紅葉ちゃんが、対外業務は希ちゃんが行うってことね」

へーすげーな。素直にすごい。いつもあんなダラダラな感じの雅もしっかりしてんだなぁ……

「で、次が私から見て左側、茶髪の方の男の子、会計の今村陽斗君。文字通り生徒会予算を担当して貰うわ。予算執行だけではなく1年間の予算算出から議会での説明まで頼むわね。ピンクの髪の女の子は書記の桃風桜ちゃん。ほかの役員、もしくは生徒のから依頼がある時に印刷、コピー、また議会の議事録を担当してもらうわ。会計は会計団、書記は書記局を集める作業もあるけどこれは後で説明するわね。」

めっちゃ仕事あるやん……憂鬱や……

「で、最後は庶務の影山透よ。全ての生徒会管理の部屋の鍵の管理、生徒会日誌の記録をやってもらって、議会の議長も兼任してもらうわ。あと私の(個人的な)秘書パシリもやってもらうからよろしく♡」


最後なんか変なこと言いませんでしたか?雅会長……すごく不安です……

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