第1話
「おい雅!どういう事だ!」
「どういうことも何も、集会で発表された通りだよ。」
「発表された通りとか言われても理解出来ないんですけど……?」
「額面通り受け取ってもらっていいのよ。透は第66期生徒会の庶務になるってこと」
「は?なんで俺が!?もっと適任いるだろ!てかまず庶務って何?」
この会話を見てもらえばわかると思うが雅が言おうとしていたこと、それは俺が次期生徒会役員になるということであった・・・。
「とにかくこれは決定事項だから。今日の放課後顔合わせをやるから生徒会室に集合して。集会で言ってたからわかると思うけど陽斗君もいるから大丈夫!」
「大丈夫なわけあるか、アホ」
「とりあえずよろしく〜♪」
これは逃走不可避である
如何にして逃げるかを放課後までに考えなければ……
〜キーコーンカーンコーン〜
はい、放課後突入しましたぁぁぁ。よし、雅はこっちを見ていない。このままそーっと、そーっと
「透くん……?」
「は、はい……何でしょうか……?」
お、怒ってらっしゃる?
「何帰ろうとしてるの?」
ば、馬鹿な・・・俺の完璧な逃走術をこうもあっさりと見破りやがっただと?こっちを見てもいなかったのに!?おかしい。なぜバレた・・・
「透の考えることなんてお見通しなのよ。さ、早く行くよ」
「はぁ……」
「もうほかの人は来てるのよ?早くして」
「はいはい……」
俺にだけあたり強すぎだろ。おかしくない?
歩くこと数分俺らは生徒会室に着いた・・・
「なんか思ってたより小さくね?」
「たしかに小さいわね……」
はずだった。
「これ生徒会顧問室って書いてあるぞ」
「はっ?まさか、この私が間違えたとでも言うの!?」
「いやどっからどう見てもそうだろ」
「そんなはずないわ。きっとこれは透が私の近くにいるせいよ」
「はぁ?そんな暴論が通るとでも思ってんのか。てかそんなことより本物の生徒会室はどこだよ」
「顧問室がここにあるんだから近くにあるはずよ……って隣じゃない。あなたの目は節穴なの?」
「いやこれのどこが生徒会室なんだよ。プレートを見ろプレートを。''備品室''って書いてあるだろ!お前こそ節穴か?」
「ひどい!私の目を節穴って言ったぁ。私の目は節穴じゃないもん。」
うわぁ……また始まったよ……
「お前が先に言ったんだろーー!!ってそんなことより生徒会室はどこだ」
「だ・か・らここって言ってるじゃない」
いやこいつ何言ってんの。頭いかれたか。いや元からだな仕方ない。
「透、今''こいつ頭おかしいな''とか思ってるでしょ?」
なんだとなんでわかるこいつは
「その顔は図星ね。今旧校舎取り壊しと新校舎への建て替えをしているのは知ってると思うけどその煽りで旧校舎にあった生徒会室は臨時に使われてない備品室に移動になったのよ」
「知ってるなら最初から言ってよ……」
「ふふーん。今思い出したのよ」
なんか偉そうだけどこいつ今かっこいいとこひとつもなかったよな……
「じゃ、行くわよ。ここから私の伝説が始まるのよ!」
は?こいつ何言っちゃってんの?馬鹿なの?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます