第36話 一部はひとまずここまで

 この「メイキングとコメンタリー」は、ご存じのように「改稿のごほうびに長々しい自作語りを許す」というコンセプトのもとに成り立っている。(偉そうに言うことではない)


 のですが、第一部の改稿は終わってしまった――というか、なにを中心に改稿すべきかもういっぺん考えなおしたくなった――ので、ひとまず終了ということにします。


 誤字脱字(けっこうあった)、漢字のひらき、心情描写などわかりにくい点の加筆はだいたい終わったのですが、削るほうがいかん。もっとこう根本的に削らないといかん部分があるような気がする。一部は、ほかの部にくらべても要素の詰め込みが多いのですよね。二部と三部につながるところだけ残して……とできたらいいんだけど、とっかかりが浮かばなくて、うまくいきません。これはテーマの問題なんだろうか? うーん……。


 余分なところを削ってすっきりしたら、二部まで続けて読んでくれる人が増えるんじゃないかなぁという欲もあるんですよね。そのあたりが改稿の目的なんですが、まぁ今のままでも読んでくれる人は読んでくれるし(読者への甘え)、書籍化みたいな切羽詰まったタイムスケジュールがあるわけでもなし、ひまひまに楽しくやろうと思います。続編も書きたいですしねヽ( ´∇`)ノ


 そういうわけで、次回から改稿&自作語りは二部へ移ります。


■最近の改稿

・38話のデイミオンのセリフをちょこっと変更

・エピローグに、フィルの心情描写を追加

・改稿ではないが、31話と32話を三話に分割した



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■裏話:おまけの2話について


 今回の改稿で、「ショートストーリーズ」のほうに掲載していたおまけ二本(「プレシーズン・マッチ」「ある雨の朝」)を本編に追加しました。


 「プレシーズン・マッチ」のほうは、もともとが第一部と第二部のあいだの伏線を含む形で書いていたので、前々からこういう形にしたほうがいいなと思っていたのでした。デイミオンとフィルが、このときはまだいがみ合っていない貴重な(?)お話です。

 この兄弟は、フィルが養子に出されてから戦時中まではほとんど関わりがなく、第一部の最初でリアナをはさむ形で協力し合うようになりました。つまり、ケンカするほどの利害関係もなかったわけで、「竜騎手にして五公」「ハートレスの英雄」というたがいのポジションにのっとって表面的には友好的にやっていたようです。


 それまでも、おたがいに対する不満もいくらかはあったと思われますが(デイ→フィルの不満:竜族の男としての務めを果たさずふらふらしている、フィル→デイの不満:自分にない地位や力を持っている)、それがはっきり表面化するのは四部になります。


 また、「ある雨の朝」は夢オチなので載せなくてもいいのですが、フィルの筋トレ好きと政治オンチっぷりや、多忙なデイの睡眠にかける情熱が出てくるお話。この小話を書いてから二人の性格にこういった小ネタがくわわることになりました。本編だけではこういう細かい性格ネタは思いつかないので、たまにおまけを書くといいことがあります(?)

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