4 マツール島 1日目 夜
アハッ!アハッ!アハッ!!
フランソワの激しい腰の動きに合わせて、レイのあえぎ声がする。
波打つようにやってくる快感に耐えられないレイはだんだんと声が高くなってくる。フランソワは、その声が誰かに聞かれないか、特に涼香に聞かれないかと心配になり、レイの口をふさぎ、さらに腰をふり、レイの股間を突く。
レイの恋人の男にはあらかじめ強い酒を何杯も飲ませたから、まず起きることはない。島の酒好きの人間でさえ、簡単に酔いつぶれるような酒だ。あれだけ飲めば、明日の昼ごろまで寝つぶれているだろう。万が一、涼香に感づかれたら、客の女に手を出したと旅行会社に訴えられるかもしれない。それで職を失うのはまずい。
それにしても、なんで涼香やナホは俺を警戒しているんだ?涼香はほとんど堕ちていたのに、どうして心変わりしたのだろう?ナホという女は、極端に俺を嫌っているようだ。憎しみすら感じる。涼香やナホをどうやっておとすべきか・・。このまま彼女たちを満足させられぬまま5日間を過ごさせ、そのまま返してしまっては、ハマニ一(いち)のガイドの沽券にかかわる。
アアッ!!アアッ!!
レイの快感の波は絶頂を迎えようとしていた。
フランソワの分厚い背中に爪を立て、思い切り爪あとがつくほどにひっかいた。フランソワの背中の肉に食い込み、皮をむくほどに。フランソワの背中には数本のするどい傷がつき、その何本からか血の筋が流れ出た。
「ウッ!!」
背中に突然走った痛みに驚いたか、フランソワはレイの股間の中に精液をぶちまけ、果てた。レイの絶頂を迎えるタイミングよりも遥かに早くフランソワはいってしまった。普段ならこんなことはない。とにかく相手を満足させるまでは、自分が果てることはなかったし、そうならないように訓練していた。やはり、セックス中に集中せず、別のことに気をとられたのがまずかったようだ。
レイは絶頂を迎える前に終わられてしまい、なんだか取り残されたような気分になった。
「ドッ、ドウダッタ?」
恐る恐るフランソワはレイに尋ねた。
「うっ、、うん、よかったよ・・」
荒い呼吸を整えながら、レイは答えた。しかし、どこか不満げな意が声にこもっている。
いくらイケメンで、たくましくて、ナニが大きくて、激しくても、最後に絶頂を迎えるには、相性が必要なのかもしれない。フランソワとのセックスは悪くはなかったし、今まで迎え入れた男の中では上位の方だ。でも、彼がイッたタイミングは不満がかなり残った。フランソワとのセックスに期待をかけすぎたのかもしれない。
「待ってればまだできるかしら?」
フランソワは自信を喪失したかのように、どこかさびしげに立ち上がり、服を着始めた。
「ゴメンナサイ。」
そうして、裸で浜に横になったままのレイを残してテントのほうに戻っていった。
「なんなの!?」
レイは立ち去ったフランソワの方に、浜の砂をつかんで投げ捨てた。そして
その時、ふと、誰かの視線を感じた。
フランソワだろうか?さっきテントに戻ったようだが、もう一度したくなったのか?
「誰?フランソワ??」
返事がない。
もしかしたら他の男?
シンゴはひどく酔っ払っていたのでとてもではないが起きてはこないだろう。では誰?あのゲス不倫の医者?それともカメラマン?それとも億万長者のユーチューバー?どいつもフランソワのたくましさも、シンゴの激しさも求められそうにはないけれど、人恋しい今のレイの股間なら、誰のものでもすぐ受け入れて満足にいけるに違いない。
レイは少しにやつきながら声をかける。
「誰?怒らないからでてきなさいよ。どう?一緒に、しない?」
彼女は海の中からゆっくり出てくると、そのたわわな胸をあらわにしたまま浜にあがった。そして、視線を感じる方向へ、自分の胸を手で寄せて見せ付けた。世の男なら、自分の魅力的な裸体を見せ付けたら、すぐに飛びついてくるに違いない。彼女にはそんな自信があった。
ところが、視線の先は何の反応もない。確かに、目の前の岩の先に、誰かの気配を感じるはずなのに、動いてやってくるようなそぶりが見えない。
あんまり欲求不満で誰かいるように感じてるのかしら・・。
レイは少し恥ずかしくなった。
が、岩の先に、岩とは違う影が、確かに動いた。
やっぱり、誰かいるじゃない!
うれしくなったレイだったが、その影が岩から離れて、その影の全貌が見えたとき、レイはぞっとして身震いした。
夜の闇に姿は見えないが、直立した影が、一緒に旅行に来たどの男とも明らかに違っていた。背丈は180センチくらいだろうか、少なくとも自分よりは確実に背が高い。かなり痩せ型だが、肩幅が広く、無駄な肉はなく、肩、腕、太もも、ふくらはぎの筋肉が、シルエットからでも盛り上がっているのがわかった。特に、足の筋肉の張りは、ロボットを思わせるほどパンパンだ。
そして、他の誰よりも違っていたのは、全身が毛で覆われているということだ。猿、というほどではない。長い毛ではないが、確実に全身が毛で覆われている。
これは、昼間、旅行会社のお姉さんともう一人の女の子を襲った化け物!?
そうだ・・・。そうに違いない・・。
赤毛の毛に覆われた、怪力の化け物!!
叫ばなきゃ!!助けを・・・!!
だが、その思いとは裏腹に、レイの体のすべては全く力が入らず。腰が抜け、その場にヘタヘタと崩れ落ちた。のどからも全く声が出ない。体全体が恐怖で硬直してしまっている。尿意があったわけでもないのに、膀胱も緩み、尿が彼女の股間からあふれでた。硬直していたかと思うと、どこから沸いてくるのかわからないが、体がブルブルと震えだす・・。もう、自分で自分の体が制御できない・・。
ザクッ、ザクッ
砂浜の乾いた砂を踏んでレイのもとへ近づいてきた足音はやがて
ピチュ!ピチュ!
という音に変わった。波打ち際、レイのすぐ近くにまでその物の影が迫っていた。
どうしたら・・・、どうしらたらいいの・・・
レイは本当に何も考えられないくらいにパニックに陥っている。泣いているのに、泣き声が出てこない。大きく開いた口からは、気道をとおして喉の奥から搾り出される、カフッ!カフ!という空気音だけ。
とうとう、その何者かは、レイの目の前に立ち尽くした。レイは、その化け物の恐ろしい姿を決して見まい、と思い、顔を下に落とし、絶対に顔を上げないようにしていた。目が合えば・・、きっと、殺される・・・。
本能的に彼女はそう感じていた。
だが、化け物は、彼女の目の前に立ち尽くしたっきり、ピクリとも動かない。
なぜ?どうして何もしてこないの・・・!?私と目を合わせるのを待っているの?襲ってくるタイミングを計っているの!?
化け物の、あまりに静かな様子にとまどった。いなくなったわけではない。確かに、自分の視線の先には、波に濡れている、奴の足が見える。
しかし、やはり静かだった。波が浜を洗う音と、そして、ちょっと甲高い、
ヒューッ、ヒューッ
という呼吸音。
この呼吸は誰の呼吸?もしかしてこの怪物の・・!?
ヒューッ、ヒューッ
確かに、この怪物から発せられている呼吸の音だ。
でも、想像している音とはちょっと違った。
もっと低音で、うなるような、化け物じみた、野獣じみた音を発するのか、そう思っていた。ホラー映画の化け物のような、地面を揺らすようないやな音・・。
ところが、目の前の化け物から発せられる音は、甲高く、濁りのない音だった・・。
よく聞くと、子どもの声のようでもある・・。
そして、月明かりと、暗闇にずっといたせいで、だんだんと目が暗さに慣れてきた。恐怖に顔を上げることはできないが、まだ、化け物は自分に危害を加える気はなさそうだ・・。そう思ったレイは、目の前の足をよく観察してみた。
素足のそれには、うっすらと毛が生えている。暗くてよくわからないが赤毛とブロンドが入り混じったような、確かに旅行会社のお姉さんが持っていた毛と同じ色のように見える。でも、素足をみるとうっすらとした毛に覆われてはいるが、その毛は長くなく、猿やオラウータンのそれには見えない。
動物園でチンパンジーを見たことがあるが、それの足のようにシワシワだったり、特徴のある指の付き方もしていない。彼女の目の前で見ているそれは、見に覚えのある足の形。
そう、人間だ・・・。
その足は、素足での島の生活のためか何度も傷を負っているうちに皮が強くなり、カサカサで、パンパンにはれぼったく、普通の人間よりは一回りも大きくなっているようだが、どう見ても人間の足だ・・。
人間なんだ・・。じゃあ、怪力で木を捻じ曲げて人を襲うとかありえない・・。
きっと、旅行屋の姉さんの見間違いだ・・。人間なら・・、人間なら・・。
しかも、男なら・・・。
レイは恐る恐る、顔を上げてみることにした。ゆっくり、本当にゆっくり・・。
足元から股間・・腰・・腹・・胸・・
確かに細身の体は筋肉質で、全体が毛に覆われているものの、化け物の肌の色はなんとなく判別がつく程度に覆われている程度だ。月明かりに目を凝らしてその肌の色を見ると、随分と白く感じられた。この化け物は、背も高いものの、どこでもいる男性のそれと大して変わらない高さだ。
むしろ筋骨隆々で日焼けし、男性フェロモンだしまくりのフランソワみたいな男の方が化け物に見えるくらいだ。
衣服は、どうやらなにも身に着けていない。
さあ、顔だ・・。
さらにレイは視線を上げた。胸から顔、頭にかけて、化け物に目を向けてみた。顔に近づくにつれ、毛に覆われている部分が大きくなっていた。
化け物の口は割け、鼻の穴はいびつな大きさに開き、目は一つ目・・・
などと想像していたが、全く違っていた。
大量の毛にかくれてよくわからないが、顔は普通の人間のようだ。毛だらけには違いないが目も鼻も、たぶん普通の人間と同じ作りだ・・。
そして全体像を見直したとき、驚くことに、あのユーチューバーがいたずらで特殊メイクでもほどこして目の前につったっているのではないか、と思えるほど、少年のような感じすらかもし出している。
人間か、新種の類人猿か、はたまた宇宙人か・・・。
いずれにしても、目の前にいるものは、若い。
レイは気がついた。
この化け物は、レイに手をさしのべていた。普通の人間に比べると、確かにちょっと腕が長いようにも見える。だが、確実に、自分の方に手を出している。まるで「お嬢さん、お手をお貸ししましょうか?」といっているかのごとく。
私が腰を抜かして、失禁までしている姿を見て、哀れんでこの化け物は、手を貸してくれているのだろうか。
少なくとも、自分を攻撃してくる様子ではない。
そう悟ったレイは、急に自分が涙とも汗ともよだれともわからない体液を流しながら叫び、失禁してその場に倒れてしまった一連の様子を、この化け物、、いや、彼、彼と呼ぼう・・、彼に見られてしまったことが恥ずかしくなった。
でも、きっと暗闇だから、恐怖におびえた顔も、彼には見られていないだろう。涙と汗でメイクがドロドロに落ちて、きっとひどい顔、明るいところで顔を見られたら、彼よりも化け物のような顔になっているに違いない。ただ、この失禁のにおいはひどかった。日本の港なら、魚くさかったり、獣の小便のにおいもしそうなものだが、この島では明らかに異臭だ。
いや、このにおいは自分の小便のにおいだけではない。野生の獣のにおいが、彼から発せられていた。やはり、彼は新種の類人猿か・・。でも、彼のにおいで、私の小便のにおいもごまかせる。
彼女は彼の差し出した手をとった。ゴツゴツした肌。指にまとわり付く毛、硬い爪、腫れ上がってはいるが、どこか繊細な指・・。
彼はまるでレイをエスコートするかのように、彼女の手をとると、ゆっくりと引き上げ彼女を立たせた。彼女が直立に彼の目の前に立つと、確かに、彼の肩口くらいが彼女の頭の高さだった。体のサイズからしたら、理想のカップルだ。
レイも、彼も、生まれたままの姿でお互い向かい合って立っている。
レイは何気に彼の股間に触れてみた・・。
・・・・!?
レイはその股間に驚いた。彼の股間はまるで、レイの腕の太さと同じくらいではないかと思うようなペニスが、ほぼ直立に、カチカチになってそそり立っていた。人間かどうかはわからないがペニスのついたオスであることに安堵するレイ。すると、恐怖はサーッと、波のように彼女の脳裏から引いていった。彼女の頭の中にあるのは、今、彼女の手のひらの中で硬直しているペニスのことでいっぱいだ・・。
自分の中に受け入れてみたい。この硬くて大きいものを・・。でも、こんなものを突っ込んだら、自分のものが壊れてしまうかも・・。
そんなことを考えながら、彼女はとりあえず手で、彼のそそり立つそれをしごいてみた。亀頭が瞬く間に膨れ上がる感じがした。そして、大量の精液が、あっという間に破裂するように噴き出した。レイの手に、ぐっしょり、そして今まで見たことがないほどドロリとした液体が付いた。ものすごい粘り気とともに、オスのにおいが広がる。
フゥーフゥゥゥーッ
彼は興奮して息が荒く、甲高い声を上げていた。
彼はきっと童貞に違いない。そして驚くことに、あれだけの精液を放出したにもかかわらず、彼のペニスはまだ萎えを知らなかった。ギンギンにそそり
レイは恐ろしくそそり起った彼のものを握る。
ウフフフフフゥゥ!!
何のものかよくわからないような奇声をあげる彼。
その彼のものをゆっくり、ゆっくり、自分の股間へと導いていくレイ。
ほんの一瞬だったが、彼の目と目が合ったとき、月明かりに彼の瞳が映し出された。初めて味わった興奮と快楽に期待と、喜びと、恐怖が入り混じったようなその瞳。月明かりに反射したせいかもしれないが、青く透き通っているような気がした。
ズプププププププッ!
彼の固い肉の棒が、彼女の肉ひだにぬめりこんでいった・・。
あああっ!すごい!!!
彼のそれは、今まで受け入れたことのない大きさと硬さだった。しかし、決して痛くはない。フランソワへの欲求不満と、彼を目にしたときの恐怖で完全に縮みこんでしまっていた身体が解き放たれ、彼のそれを受け入れた喜びと、そこからくる快楽に彼女は身をよがり始め、激しく腰を振り出した。
吸い付く肉ひだに上下にこすり付けられた肉棒はパンパンに膨れ上がる。股間が痛い。痛いがそれ以上の、今まで味わったことのない快楽に、彼は打ちひしがれた。自分についた股間の肉の棒が、ドク、、ドク、、と脈打っている・・。
恐怖なのか、痛みなのか、快楽なのか、、、
わからない・・。
彼はとにかく上下に動いている彼女のなされるがままに突っ立っていた。
「突いて!奥まで突いて!」
日本語で言っても、きっとわからないだろうが、彼女は激しく腰を振って、彼にも腰を振るようジェスチャーしてみる。すると、少しずつ、彼は腰を降り始めた。途端にその彼の先が、彼女の奥を突き上げ、そのたびに、彼女の脳天にまで快楽がビリビリと走っていった。
「アアアアッ!!!」
もう、誰が起きてこようと構わない・・。
彼女はありったけの声を出し、今まで味わったことのない興奮を確かめていた。
それは彼も同じのようだ
ウヒェ!ウヒェ!
甲高い声を上げている。
そうして、だんだんと腰の動きを早めだす。
ドゥン!ドゥン!
彼の肉棒が、自分の身体の中心にまで突き刺さっているようだとレイは感じながら、脳が真っ白になるようなしびれる感覚に意識を失いそうになるくらい、快楽に身をゆだねていた。
「あああっ!!そう!!最高!!もう!!突いて!壊して!!」
われを完全に忘れ、レイは叫んでいた。
そうして、目の前にある彼の顔を両手でつかみ、激しく口づけをした。
彼は驚き、目を見開いている。レイは舌を、彼の口の中へ差し入れた。彼の口は、歯が何本か抜けて、歯並びがめちゃくちゃになっているのがわかった。明るいところで、その口をみたら、きっと、かなり引いてしまうだろう。でも、今は、彼のことが愛おしくてたまらない。
ジュルジュル!!
彼の舌を自分の舌で探し、絡めると、音を立てて舌を吸い上げた。
彼の目がはちきれんばかりに見開かれた。
気持ちがよいのか、恐怖なのか分からない。ものすごく驚いていたことは確かだ。
突然、彼は右手を彼女の腰にあて、左手で、キスをしている彼女の後頭部をわしづかみにした。そうして、ググッ!!と彼女の頭を、自分の頭に押し付けてきた。強烈な力だ。彼女と彼の頭は、お互いの口と口で重なり合っていたが、あまりの力に、顔と顔がつぶれてくっついてしまうのではないか、というほどに強い力が加わっている。
彼と自分の鼻もくっつき、つぶれ。次第に呼吸ができなくなってきた。彼女は恐怖を感じ始めていた。なんとか、顔を離したい。
しかし、メリメリ!という鈍い音がすると、彼女の鼻から突如、血があふれんばかりにたれだした。鼻の骨が折れた!彼女は思った。激痛が走った。
彼の顔も痛いはずに違いない。
しかし、彼は腰の動きをガンガン強めていて、痛みなど全く感じていないようだ。
ただ、彼女も、顔はものすごく痛いにもかかわらず、下半身からくる快楽には、身悶えずにはおられない・・。
やがて、歯並びの悪い彼の口と自分の口から、ガリガリッ!!とまた鈍い音が体中に響いてくるのが分かった。
彼は歯をたてて、私の舌を、歯を、歯茎を噛んでいる・・!
彼は私を食べているの!?
しかし、気づいたときにはもう遅かった。彼はレイの舌を噛み千切り、ムシャムシャと食いだした。
やっと彼の口からレイの頭ははずされたが、口と鼻は血まみれとなり、その血は彼女の口の中で大量にたまり、気管をふさいだ。血によって、呼吸ができなくなっていた。味わったことのない強烈な痛みと苦しみ・・。
あまりに強く彼の手に握られた後頭部には、彼の指の跡がつくほど、握りつぶされていた。もう少し握られていれば、彼女の頭蓋骨が破裂し、脳がめりっ、と頭からはみ出していたいたに違いない・・。
痛みと苦しみにもだえながらも、下半身からは相変わらず快楽の信号が、彼女の脳に送られていた。レイはもう、異常な麻薬をやって痛みと快楽がごちゃごちゃになっている人間のようだった。もう、彼女には、正常な意識は残っていなかった。脳波が下半身からの快楽の電気信号を物理的に受信しているに過ぎない。
彼は、いよいよ絶頂を迎えるのか、腰の動きが目にも止まらぬような速さで動く。レイの股間からは、まるで生理のひどい女性のように、血があふれ出ていた。
彼は両腕で、彼女の腰を抱えるようにもつと、いよいよもって爆発するだろうという瞬間を迎えた。
バキバキバキッツ!!!
ものすごい鈍い音が彼女の身体から響く。彼女の背骨が折れたのだ。
まさに鯖おり状態だった。
もはや。彼女の身体はこっけいな人形のように、彼の腕と腰の動きに振り回され、ぶらぶらと動いているだけだった。
ウジョッ!!!
激しい奇声を上げたかと思うと、彼は折れてぶらぶらになった彼女を下にして、浜辺に崩れ落ちた。果てたのだ。
ウフォッ、ウフォッ!!
彼は、彼女の死体の上で熱気でどうにかなりそうな興奮を抑えて、呼吸を整えた。
やがて、呼吸が落ち着きを取り戻すと、彼はレイのなきがらからゆっくりと離れ、立ち上がる。彼女の血だらけの股間から、ヌプヌプッという音をたて、肉棒をぬいた。
その肉棒の先には、どろどろの精液とどす黒い血液が混ざり、形容しがたい糊のような気持ちの悪いものが滴り落ちた。そこには、彼女の大腸の粘膜のような肉片もこびりついていた。
肉棒には湯気が立ち上がっていた。
レイの亡骸の顔は口と鼻がつぶれ、無残な状態になっていたが、どこか死と隣り合わせの快楽にすべてをささげた開放感を味わったような表情のようにも見えた。
****************
彼は、儀式を始めた。
彼は、これまで山に住む動物の穴に、自分のそそり起つ、どうにもならない膨らみと痛みを抑えるために、それを突っ込んでいた。動物は奇声を上げて、彼のそれを突っ込まれると、血だらけになり、目をひん剥いて死んでいった。
今まで、彼のそれは、そそり起つたびに、何体もの動物の穴に突っ込まれたが、そのそそり起つ時に起こる、腫れ上がる痛みはなかなか治まらなかった。そんなときは、自分のものを岩や木の穴にこすり付けた時さえあった。
だが、今、すっかり動かなくなったこれは違った。
今までは、このどうしようもない、勝手に沸いて出てくる興奮状態を収めるために動物や岩や木に、自分のそれを突っ込んでいたが、今は違った。この、すっかり動かなくなったこれを見て、興奮し。自分のそれがいきり起ったのだ。今までのように、意味もなく勝手にいきり起ったのではない。これがきっかけで、自分のそれは、意識的にいきり起った。これまでにない快感の渦に巻き込まれながら、ぐんぐんといきり起った。そうして、これの穴は、これまでのものとは比べ物にならない、えもいえぬ快感と、恐怖と、興奮を与えてくれた。
彼は、これまでの動物たちと同じように、するどい刃物を取り出すと、
彼女を解体した。
快楽を与えてくれた生き物に感謝するために
食べるのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます