第39話 進路

「善は急げ」

早速、両親に進路の希望を伝えた。


両親はふたりとも、

「お前の人生だ。好きにしろ」

あっさりと、承諾してくれた。


両親共に、親の反対を押し切って作家になった身。

子供には苦労させたくないが、好きにさせたい気持ちが強いのだろう。


少し出遅れた気もするが、努力すれば追いつける。


僕は、その進路先についての、なり方などを、調べてみた。

「やはり、大学は不可欠か・・・」


「透くん」

「ファエトン?」

「よかったね。生き生きしてるよ」

「ファエトンのおかげだよ」

「私は、何もしてないよ。君ががんばったからだよ」

まだ、がんばってはいないのだが・・・


「で、透くんの希望は?」

「前に、話した通りだよ」

「そっか・・・貫いたんだね」

「そんな、いいものではないけどね」

「ううん、凄いよ」


ファエトンとの会話に、心が安らいだ。


世の中、そんなに甘くない。

でも、恐れていてはないもできない。


もし、後悔するなら、やるだけやってからにしよう。


季節は、秋も終わろうとしている。

冬になれば、時期にクリスマス。


それは、ファエトンに願い事を叶えてもらう日。


すなわち、別れの時でもあった・・・



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