第35話 進路

9月になった。

進路希望を担任に提出する。


第1志望から、弟3志望まである。

この志望と言えば、大学の学部の事であり、

専門学校等は含まれない。

なので、未定と書いて提出したら、案の定「真面目にやれ」と、怒られた。


実際、クラスの大半は大学へ行く事を希望している。

「とりあえず」とか、「みんなが行くから」とかが理由だが・・・


教師は、その大学にまで茶々をいれてくる。

「○○さんなら、もっといい大学へ行けます」と・・・

そうまでして、出世したいか先生よ・・・

僕らは、あんたらの道具じゃない・・・


しかし、まだ未定・・・

自分でも、遅いと思うが・・・

将来の事ので、簡単には決めたくない。


「透くん」

「ファエトンか・・・」

「しー、学校では、愛美ちゃん」

「あっ、そうか・・・愛美ちゃん」

「私の進路なんだけど・・・」

「うん」

そっか・・・ファエトンも、一応は出さないといけないな・・・


「私、介護士さんにしておいたんだ」

「うん・・・って、介護士さん?なんで・・・」

「お父さんとお母さんに何かあった時、私が面倒見たいな・・・って」

「でも、愛美ちゃんは・・・」

「わかってる・・・でも・・・」

「でも?」

「私、ここへ来て思ったの・・・誰かの支えになりたいって・・・」

「支えに?」

「うん」

そういうと、ファエトンは担任の所へ行った。


何やら相談をしているようだ。


高校生

入学式の時は、先は長いと思っていたが、あっという間だった。

自主退学した生徒もいる。


何かを掴んだのだろうか・・・

悪く言う人もいたが、僕は凄いと思った。






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